【無料動画視聴】ビブリア古書堂の事件手帖【あらすじ】

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ビブリア古書堂の事件手帖

2013冬ドラマ【ビブリア古書堂の事件手帖】

放送局
フジテレビ
放送開始日
2013/01/14
放送時間
月曜21:00~
オープニング
☆TakuTakahashi【Biblorelo】
エンディング
E-girls【THE NEVER ENDING STORY】

三上延の日常の謎系推理小説シリーズ『ビブリア古書堂の事件手帖』第1巻から第4巻までを原作としている。
神奈川県鎌倉市の古書店を舞台に、本にまつわる謎を解き明かし人と人の絆を紡ぐ女店主を主人公とした推理ドラマ。
主演は本作がゴールデン連続ドラマ初主演の剛力彩芽が務めた。
また、本作は月9枠で初のライトノベル原作の作品となる。
キャッチコピーは「事件を解く鍵は、名作の中に――」。

   
   
第1話2013/01/1414.3%【脚本】相沢友子
【演出】松山博昭
夏目漱石 「それから」
「ビブリア古書堂」の店主・篠川栞子(剛力彩芽)のもとに、古書の査定をしてほしいと五浦大輔(AKIRA)がやってくる。大輔が持ち込んだのは、亡くなった祖母・絹子(赤座美代子)の蔵書『夏目漱石全集』全三十四巻で、その『第八巻 それから』に「夏目漱石」、人物は不明だが「田中嘉雄様へ」と署名があったため、サインが本物なら高く売れるのでは、と期待した母・恵理(松坂慶子)から頼まれたものだった。
 本を手にじっと考え込んだ栞子は、やがてサインは偽物だと言った。長く待たされしびれを切らした大輔は礼を言い立ち去ろうとするが、栞子はサインを書いたのは祖母自身としか考えられない、と話す。唐突な話に、証拠はあるのかと尋ねた大輔に、栞子は祖母にまつわる驚くべき推論を展開していく。
 プライバシーに関わるが、と前置きした上で栞子が話したのは、絹子は事前に持っていた『第八巻 それから』を隠すために『夏目漱石全集』三十四巻を買い求め、その後、重複した第八巻を処分したのだろう、と言うことだった。さらに、「夏目漱石」のサインを偽装したのも、あらかじめ書かれていた「田中嘉雄」を隠すためだった、と。「田中嘉雄」は絹子に本を贈った人物で絹子の大事な人だったのだろう、と言う栞子は、大輔という名前を付けたのは絹子だったか、また絹子が結婚したのは1962年より前か後か、と聞いた。

後日、大輔が「ビブリア古書堂」を訪ねると、そこに栞子の弟・文也(ジェシー)がいた。大輔はやがて現れた栞子に、恵理に確認した結果、自分の名付け親は絹子で結婚は1959年だったこと、しかも密かに好きな人がいたことがわかったと話した。本を見ただけでなぜそこまでわかるのか、と興奮気味の大輔に、栞子は困惑し言葉を濁す。
 その後、失業中のためハローワークに行った大輔は、相談員(内田篤人)から体格だけで警備員の仕事を勧められたことに気落ちする。その足で行きつけの甘味処に立ち寄ると、店主・藤波明生(鈴木浩介)と店員・横田奈津実(北川弘美)が声をかけてきた。いっそのこと、ここに就職させてほしいと頼む大輔に藤波は、新入りのアルバイト・佐々木亜弥(トリンドル玲奈)を紹介する。そこへ、別のアルバイト・橋本さやか(内藤理沙)があんみつが出来たと告げる。その行方に興味をもった大輔があんみつを目で追うと、その先に栞子がいた。栞子は古書を買い付けた帰りだった。
 大輔は、栞子を手伝い大量の古書を「ビブリア古書堂」まで運んでやる。荷ほどきが終わり積み上がった古書を眺めた大輔は、自分は本を読むと気分が悪くなる体質だと明かした。やがて、栞子が言っていた1962年には何があったのか、と聞くが答えは得られない。
 自宅に戻った大輔は、絹子の葬儀のときに撮られた写真を眺めていた。親類の中で自分と恵理だけが長身であとはみんな背が低い、と感想をもらした大輔に、恵理が思い出したように、見慣れない老人で背の高い人が葬儀に来ていたと言った。何かを感じた大輔は、葬儀の芳名帳をめくり、そこに「田中嘉雄」という名前を見つけた。さらに書かれていた「文京区春日二丁目」という住所を訪ねるが、本人に会うことはできなかった。

後日、栞子を訪ねた大輔は、すべてを話して欲しいと頼んだ。意を決した栞子は、主人公が人妻と恋に落ちる『それから』という物語は、「田中嘉雄」の願望そのもので、絹子へのラブレターだったのだろうと言った。さらに、値札から『漱石全集』を購入したのが栞子の祖父が営んでいた頃の「ビブリア古書堂」だとわかり、そうすると購入年は1962年、絹子が結婚したのが1959年のことだから、「田中嘉雄」と絹子は不倫関係にあったと推測できるという。しかも、『それから』の主人公が「代助(だいすけ)」だということ、大輔が訪ねた「文京区春日二丁目」が小説の舞台になった場所であることも教えられた。自分と恵理だけが背が高かったのは偶然じゃなかったのだ、と大輔はしみじみと言った。
 出生の秘密を知るもどこかすっきりした大輔は栞子に礼を言い、店を後にしようとした。すると栞子は大輔にこの店で働いてみないか、と言った。自分は本が読めないのだ、と驚く大輔に古書店の人間に必要なのは、本の内容ではなく市場価値の知識だと説く栞子。迷いながらも大輔は、その申し出を受けることにした。
 後日、大輔が「ビブリア古書堂」にいると、志田肇(高橋克実)がやってきた。ふてぶてしい態度で「栞子は?」と聞いた志田は、奥から現れた栞子に小山清の『落穂拾ひ』が盗まれたと言った。それを聞いた栞子は…。
【五浦 絹子】赤座美代子
【田中 嘉雄】津村和幸
【舞子】川口圭子
【ハローワーク相談員】内田篤人

第2話2013/01/2112.2%【脚本】相沢友子
【演出】松山博昭
小山清 「落穂拾ひ・聖アンデルセン」
篠川栞子(剛力彩芽)は、小山清の『落穂拾ひ』を盗まれ気落ちする「せどり屋」の志田肇(高橋克実)を五浦大輔(AKIRA)に紹介した。すると、志田はあいさつもせず、本を盗まれたときの状況を話し始めた。
 志田はある寺に用があり自転車で向かった。ところが着いたとたんに腹痛がし、荷物を残したままトイレへと駈けだした。そのとき、音がして振り返ると女子高生らしい少女(水野絵梨奈)と自転車が倒れていたので声をかけた。しかし、少女は見向きもせず自分が持っていたエンジ色の紙袋の中身を確かめていた。志田は気になったが、自転車を起こしておいてくれと頼むとその場を立ち去った。それでトイレから戻ると、『落穂拾ひ』だけが紛失していた。少女が盗ったのは間違いないと言う。
 栞子は、少女が『落穂拾ひ』を盗った理由こそが少女を探す鍵になると言い、トイレから戻ったとき、自転車とほかの本はどうなっていたのかと聞く。自転車も本もその場に放置されていたが、本は仲間の笠井菊哉(田中圭)が拾い集めてくれていた、と志田は答えた。また笠井は、寺からバス停へと走り去る少女を目撃していたという。
 『落穂拾ひ』が志田にとって大事な本だったと聞いた大輔は笠井に会い、笠井が少女に頼まれ、ハサミを貸していたと聞く。さらに、バス停まで走った少女が、バスに乗らなかったとの証言も得た。それを聞いた栞子は、少女が『落穂拾ひ』を盗んだのは必然だった、バス停に走ったのはそこにいた少年に会うためだったのでは、と推測した。

翌日、大輔はバス停で西野(浅香航大)という少年に声をかけた。横柄な態度の少年は、あの日少女に誕生日プレゼントを差し出されたが、「お前には祝われたくない」と言ってやった、と話し、あっさりと小菅奈緒(水野絵梨奈)という少女の連絡先を教えた。
 本を盗んだのは悪いことだが奈緒にも事情があったのでは、と考えた大輔は、奈緒を追求する気が失せ、代わりに『落穂拾ひ』を古書店に探しに行く。しかし途中で、志田と鉢合わせる。大輔の計らいに気づいた志田は、大輔を飲みに誘った。志田は、ある日突然、会社が倒産、家族も失いホームレスになったことがあり、そのとき手にしていたのが『落穂拾ひ』で自分にとってはお守りのようなものだった、と明かした。それを聞いた大輔は奈緒に連絡を取り、待ち合わせ場所を指定するが、奈緒は現れなかった。
 しかし後日、奈緒は「ビブリア古書堂」にやって来た。その姿にピンと来た栞子は、奈緒だろうと尋ね、本人もそれを認めた。ところが大輔が『落穂拾ひ』を返すように頼むと、奈緒は「何もわかっていないくせに」と激怒した。すると栞子が、わかると言って語り始めた。

あの日、奈緒は誕生日の西野のために菓子を作ると、それを包装しエンジ色のリボンで飾り紙袋に入れ家を出た。ところが、バス停に向かう途中で志田の自転車にぶつかり転倒してしまう。菓子は無事だったが、リボンに付いていた飾りが取れたため、それを固定させる紐のようなものが必要だと気づいた。そこで、志田の荷物のなかから『落穂拾ひ』に付いていたスピンと呼ばれる紐のしおりに目を付け、通りかかった笠井にハサミを借りて切り落としたのだ。その時点で本は不要となったが、笠井が見ていたため、そのまま持ち帰ったのだろう、と。
 観念した奈緒に大輔は本を返すよう頼むが、奈緒は今は返せない、と言うとその場を立ち去った。
 そんな日の夜、「ビブリア古書堂」に奈緒がやってくる。篠川文也(ジェシー)は、閉店したと話すが、奈緒は志田に会わせろと言って聞かない。突然の来訪に驚く大輔に、栞子は奈緒が「今は返せない」と言ったのは、彼女が『落穂拾ひ』を読んでいる途中だったからだろうと話した。
 志田と向かいあった奈緒は、『落穂拾ひ』とともに小さな箱包みを差し出した。「お詫びの気持ち」だという箱のなかには、爪切りと耳かきが入っていた。それは『落穂拾ひ』の主人公が、彼女から誕生日にプレゼントされたものだった。奈緒の謝罪を受け入れた志田は、失恋した奈緒の気持ちを慰めた。すると奈緒の目から涙がこぼれ落ちた。
 そんなふたりのやりとりを、隣の居間でなんとなく耳にしていた栞子と大輔は、顔を見合わせるとそっと居間の扉を閉めた。
【西野】浅香航大

第3話2013/01/2812%【脚本】相沢友子
【演出】宮木正悟
ヴィノグラードフ・クジミン 「論理学入門」
篠川栞子(剛力彩芽)と五浦大輔(AKIRA)が「ビブリア古書堂」にいると、ひとりの男性(中村獅童)が買い取り希望だとやって来る。差し出したのは、ヴィノグラードフ・クジミンの『論理学入門』という本だった。ニット帽にサングラスという怪しげな風貌の男性は、買い取り表からはみ出す字で「坂口昌志」と書くと、明日また来ると言い店をあとにした。栞子は、最後のページに貼られた「私本閲読許可証」を見つける。それは刑務所の受刑者が私物として刑務所に持ち込んだということを示すものだった。
 そんな折、店内にいた藤波明生(鈴木浩介)が、近所の刑務所から受刑者が脱走した、さっきの男性がそうなのでは、と話した。実際、報道された脱走犯の人相は坂口そっくりだったため、心配した志田肇(高橋克実)は栞子に店頭に出るなと命じる。

そこへ、派手な格好をした女性(佐藤江梨子)が来て、自分は坂口の妻でしのぶと言うが、『論理学入門』を返して欲しいと頼む。ホステスだというしのぶは、一方的にまくし立てると本を持って帰ってしまう。大輔から報告を受けた栞子は、妻であっても坂口本人の許可なく本を返却したことは問題だと指摘。責任を感じた大輔は志田とともに、クラブにしのぶを訪ね、本を返して欲しいと頼み込む。思い出が詰まっている本だからと言いつつも、しのぶは『論理学入門』を返した。その際、しのぶはこの3ヵ月で、坂口がいつも以上に無口になりサングラスを着用したり、テレビではなくラジオを聴くようになったと話した。さらに、自宅の本をすべて売り払おうとした際、そのなかに『論理学入門』を見つけしのぶが引き抜いたという。しかし、坂口はそれを「ビブリア古書堂」に持ち込んだのだ。
 大輔らからそう聞いた栞子は、坂口が売ったそのほかの本を見れば、坂口に何があったのかわかるかもしれないと話す。そこで3人は、坂口が買い取りサービスを利用した店を訪ね、店員(遠藤要)に坂口が売った本を見せてほしいと頼むが断られてしまう。そこへ、笠井菊哉(田中圭)が現れた。店員と懇意にしている笠井の口利きで栞子らは坂口が売った本を見せてもらうことに。すると栞子は積まれていた月刊誌をじっと見つめ、これで坂口の行動の謎がすべて解けた、と言った。

その後、栞子らが「ビブリア古書堂」に戻ると、坂口がやってくる。栞子は、『論理学入門』を100円で買い取ると言い坂口もそれに納得、差し出された100円を受け取ろうとしたが、うまくつかめず落としてしまう。大輔に拾ってもらった100円を受け取り店を出ようとしたとき、しのぶに打ち明けなくていいのか、と栞子が言った。するとそこへ、坂口の後を付けてきたとしのぶが入ってきた。栞子に促された坂口は、治ることがない目の病気にかかり視力が落ちてしまったため、本を売ったのだと明かした。
 栞子は月刊誌のうち3ヵ月分に読んだ形跡がなかったこととしのぶの証言から坂口の視力が衰えているのでは、と推測していたのだ。
 失明の恐れがある坂口は本をすべて売ることで現実を受け入れ、そのうえでしのぶに話そうと思っていたのだ、と言った。しのぶは、読めないのなら自分が声に出して読んであげる、坂口の視力のことは問題ではない、と返した。それを聞いた坂口は、100円を差し出し『論理学入門』を返してほしいと言った。栞子から本を受け取った坂口は、最後のページにあった「私本閲読許可証」を手でなでた。そして、自分には前科がある、若いときに貧困のあまり空き巣に入り逮捕された、としのぶにも話していなかった事実を明かし、謝った。すると、しのぶはわかっていた、と笑顔を見せた。
 後日、脱走犯が警察に捕まったとのニュースが流れ藤波らは安堵する。栞子と大輔は、坂口としのぶのことを振り返り、いい夫婦だ、と話した。
【坂口 昌志】中村獅童
【坂口 しのぶ】佐藤江梨子
【内山】遠藤要

第4話2013/02/0411.6%【脚本】岡田道尚
【演出】宮木正悟
宮沢賢治 「春と修羅」
篠川栞子(剛力彩芽)は、客の自宅に出張して本を買い取る「宅買い」に五浦大輔(AKIRA)を連れて行く。訪ねたのは「玉岡」という邸宅で、依頼者の玉岡聡子(森口瑤子)は、3ヵ月前に亡くなった父親の蔵書を処分して欲しいという。
 蔵書は主に純文学や詩集で、なかには中原中也の『在りし日の歌』の初版本など貴重なものもあり、栞子は心躍らす。聡子は栞子に、買い取りとともに、昨日この書斎から盗まれた宮沢賢治の『春と修羅』の初版本を取り戻して欲しいと依頼。父親は『春と修羅』の初版本を二冊持っていたが、状態の良くない方が盗まれたという。
 聡子がその消失に気づいたのは、昨夜、邸宅に来た兄・一郎(大河内浩)と姉・小百合(峯村リエ)が帰宅した直後だった。ふたりの来訪の直前まで『春と修羅』の存在を確認していた聡子は、遺産のことで文句を言いに来た兄か姉が盗ったと確信、その後電話で問い詰めたが、どちらも犯行を否定しているという。
 その頃、志田肇(高橋克実)は酔った勢いで仕入れた古書すべてを1000円で売ってしまうという大失敗をし落ち込んでいた。誰に売ったのか記憶がないなか、地図を広げ行動をたどる志田。そこへ、篠川文也(ジェシー)が笠井菊哉(田中圭)を連れて来る。志田の額に押された星形のスタンプにぴんと来た笠井は、志田を中古ゲームショップに連れて行く。そこから足取りが逆算でき、本を売った人物までたどり着いた。

同じ頃、一郎に事情を聞いた栞子と大輔は、小百合と甘味処で待ち合わせた。しかしやって来たのは、息子・昴(今井悠貴)だった。仕事で遅れる小百合に頼まれて来たという昴は、栞子と大輔を自宅へと案内する。何があったのか、と聞く昴に大輔は、宮沢賢治の初版本が盗まれたと明かした。昴は、祖父が生きている頃は、自分も書斎に遊びに行った、と話した。やがて、帰ってきた小百合は改めて無実を訴えた。
 小百合の自宅からの帰り道、栞子と大輔は、志田と鉢合わせる。志田が本を売ったのが聡子だと判明、これから自宅を訪ねるところだという。栞子と大輔も志田に同行、事情を聞いた聡子は、志田が売った本を返した。するとそのなかの一冊に栞子の目が留まった。
 「ビブリア古書堂」に戻った栞子と大輔は、昴を呼び出すと、『春と修羅』を盗んだのは昴だろうと言った。自宅を訪問したときから不審な点があったが、決定的だったのは池波正太郎の『錯乱』が書斎にあるのを知っていたことだ。『錯乱』は、聡子が志田から買った本、つまり、一昨日以降に書斎に入らなければ、存在を知りようがない本なのだ。そこを指摘された昴は犯行を認めたが、本を持ち出したのは売買から『春と修羅』を守るためだと言った。それは昴にとって大事な一冊で、祖父から本のなかに秘密があるとも聞いていた。「テナルデイ軍曹に気をつけろ」という謎解きのヒントを与えられていたが、結局、謎は解けなかった、と昴は話した。栞子は、昴の部屋に飾られた鶴岡八幡宮が描かれた絵について聞く。絵は、祖父の葬儀の日に聡子から渡されたもので、聡子曰く、昴が生まれた年に祖父が描いたもので、褒美として託されていたという。

翌日、聡子が『春と修羅』を取りに「ビブリア古書堂」にやってくる。しかし、栞子はこの本は渡せないと言った。驚く聡子に、この汚れた本は宮沢賢治自身が書き込みをした「手入れ本」で、もう一冊のきれいな初版本よりもはるかに希少価値が高いのだ、と説明。さらに、祖父はこの本を昴に遺したのではないか、とも話した。聡子が昴に与えた絵には、鶴岡八幡宮の背景にあるべき大銀杏がなかった、大銀杏が強風で倒れたのは2010年のことだから明かに昴が生まれた後に描かれたことになると言い、本物の褒美は、『春と修羅』だったのではないか、と聞いた。また、「テナルデイ軍曹」は、「人から金品を奪う泥棒」として『春と修羅』にも出てくる人物で、つまり、祖父は聡子がテナルデイのように昴から本を奪うことを予見していたのだろう、と言う。それでも、本を聡子に託したのは、そうすることで不仲だった昴と交流する機会を持たせようとしたのではないか、と話し、大輔が何も言えない聡子に本を手渡した。
 そんな日の夜、閉店準備をしていた栞子は、もし自分が困ったときには助けてくれるか、と大輔に聞いた。例えばの話だが、と言いつつも、その様子を物陰から見つめる人物がいて…。
【玉岡 聡子】森口瑤子
【古川 昴】今井悠貴
【古川 小百合】峯村リエ
【玉岡 一郎】大河内浩
【マユ】林さくら

第5話2013/02/1111.5%【脚本】相沢友子
【演出】松山博昭
アントニイ・バージェス 「時計じかけのオレンジ」
篠川栞子(剛力彩芽)は、書籍を寄贈するため聖桜女学館を訪ね、栞子を迎えた図書委員の田辺美鈴(生田絵梨花)が搬入を手伝った。書籍は教員の杉浦(阿南敦子)により選別されたが、数冊が「中学生には不適切」という理由で返却されてしまう。栞子は、それらが文学的評価が高いため、性描写や暴力描写があるだけで除外するのはもったいない、と言うが、杉浦は最近もアントニイ・バージェスの『時計じかけのオレンジ』を読んで学校の体制を批判する感想文を提出した生徒がいたから、と返却の理由を説明する。
 同じ頃、「ビブリア古書堂」に小菅奈緒(水野絵梨奈)がやってくる。奈緒は、志田肇(高橋克実)に借りた本を返しに来たのだが、表情がどこか暗くて志田は心配する。奈緒は、中学生の妹の結衣(森迫永依)がCDを万引きしたことが発覚、停学になっていると明かした。結衣は聖桜女学館に通う優秀な生徒だが、先日書いた読書感想文が学校で問題視され母親が呼び出されることもあったという。
 その後、奈緒は栞子、五浦大輔(AKIRA)、志田に新聞に載った結衣の感想文を読ませた。それは『時計じかけのオレンジ』を読んで書かれたもので、善悪の常識について疑問を投げかけていた。それを聞いた藤波明生(鈴木浩介)は、万引きも本の影響だろう、と意地悪く言う。栞子は奈緒に、結衣はどこで『時計じかけのオレンジ』を購入したのかと聞き、奈緒はインターネットの通販で、自分が買ってやったものだと答えた。

志田が調べた結果、結衣は盗んだCDを売ったというショップに売っていないことが判明。なぜそんな嘘を付いたのか、と嘆く奈緒は、話の流れから結衣が潔癖症だと明かした。それを聞いた栞子は、結衣は万引きをしていないかもしれない、と言う。
 放課後、奈緒に連れられて結衣が「ビブリア古書堂」にやってくる。結衣と対面した栞子は、結衣が感想文を自宅で書いたこと、潔癖症で普段から図書館を利用したり友達と本の貸し借りをしたりしないことを確認。そして、結衣の作文の冒頭を暗唱すると、『時計じかけのオレンジ』を最後まで読んでいないだろう、と言った。
 反論する結衣の前に、栞子は装丁の違う2冊の『時計じかけのオレンジ』を差し出した。それらは旧版と新版だが、旧版は出版社の意向で原稿にあった最終章を削除して出版、その後40年近く経って、最終章を加えた完全版の文庫が刊行され、代わりに旧版は絶版になった、と栞子は説明した。つまり、結衣が最終章のように作文に書いた部分は、旧版では最終章だが、新版では最終章ではないのだ。奈緒が取り寄せたのは新版のうえ、潔癖症の結衣が図書館や古書店にある旧版を読むことはできないはず、と栞子は推測。読んでいないのになぜ感想文が書けたのか、と尋ねる大輔に栞子は、他人の作文を書き写したからだ、と答える。
 栞子は、結衣が書き写したのは自宅にあった文集に掲載されていた感想文だろうと言った。同じ文集を偶然目にして盗作に気づいた美鈴は、結衣に取引を持ちかけたのだ。CDを万引きしたのは美鈴だが、犯行が露見しそうになっている自分の罪を被れば、盗作のことは黙っている、と。

なぜ盗作をしたのか、と尋ねた奈緒に結衣は、小学生が書いたその作文が上手くて驚き、自分も『時計じかけのオレンジ』を読んでみたが難解で挫折してしまった。しかし、 最近、本に詳しくなっている奈緒も挫折していたため、奈緒より難しい本が読めると見栄を張りたい一心で感想文を写してしまったのだ、と認めた。
 そんな日の夜、栞子は大輔に一冊の文集を差し出した。そこには、「『時計じかけのオレンジ』を読んで 四年二組篠川栞子」とあった。
 翌日、栞子は顧客の自宅に本を届けるため、雨のなかを出かけていく。その途中、石段を上っているとき、前方に立つ男の足が目に入り、栞子は傘を上げ相手を見ようした。その瞬間、男の足が栞子の肩を蹴った。階段を転げ落ちた栞子は、道路に横たわったまま動かない。冷たい雨は降り注ぎ…。
【小菅 結衣】森迫永依
【田辺 美鈴】生田絵梨花
【杉浦】阿南敦子

第6話2013/02/1811.7%【脚本】相沢友子
【演出】長瀬国博
太宰治 「晩年」
何者かに石段の上から突き落とされた篠川栞子(剛力彩芽)は、救急車で病院に運ばれた。幸いなことに足首の骨折だけで済んだと聞いた五浦大輔(AKIRA)は安堵するが、倒れていた栞子を見つけ救急車を呼んだのが藤波明生(鈴木浩介)だと聞くと顔を曇らせる。
 やがて、志田肇(高橋克実)、篠川文也(ジェシー)、藤波が病室を出ると、栞子は大輔に病院に持ち込んだ金庫から一冊の本を取り出すように頼む。パラフィン紙に包まれたそれは、太宰治の『晩年』だった。栞子は、この本を狙う男に突き落とされたのだ、と明かした。
 栞子が祖父の代から引き継いだ『晩年』は、500部ほどしかない初版本のなかでも太宰自身の署名まで入るなどした大変稀少なもので、世に出せば300万円以上の値が付くという。栞子は『晩年』を母屋で保管していたが、その存在を知った人物から「譲ってほしい」と何度もメールが来るようになり警戒していたところ、今回の事件が起こったと言う。
 栞子の入院中、大輔はひとりで「ビブリア古書堂」を切り盛りするが、古書の知識がないため苦労する。そんな大輔の様子を見に、小菅奈緒(水野絵梨奈)や藤波がやってくる。そんなとき、店外に出た藤波が大きな声を上げた。大輔と奈緒が駆けつけると、ワゴンのなかの本にガソリンがかけられていた。
 危機感を覚えた大輔は、『晩年』を売ってしまってはどうかと勧めるが、栞子は本を手放すくらいなら殺されたほうがましだ、と言って譲らない。

後日、大輔を手伝いに笠井菊哉(田中圭)が「ビブリア古書堂」にやってくる。古書の知識はないとはいえ、ネット通販を手伝ってもらった大輔は笠井にアルバイト料を支払い、笠井から領収書をもらう。そこに記された名前を見た志田が、梶山季之の『せどり男爵数奇譚』の主人公と同姓同名だと言った。本の存在すら知らないという笠井に志田は、店にある『せどり男爵数奇譚』の本を探してやろうと言うが、笠井は断る。
 そんな折、大輔は栞子から頼まれて、「ビブリア古書堂」で『晩年』を350万円で展示販売することに。それは、犯人を店におびき出すための作戦だった。他人に買われることを恐れた犯人は、すぐに店に現れるだろう、と栞子は考えたのだ。
 その後、大輔と文也が書籍を「短編」と「長編」に分けていると、志田と笠井がやってくる。『晩年』が売られているのを見た志田は、それが安価な復刻版であることを見抜く。大輔は、防犯上展示しているだけで本物は栞子が病院の金庫に保管している、と明かした。そんなとき、文也が焦げ臭いにおいを感じる。それは店外のワゴンの本が燃えるにおいだった。消火器で火を消した大輔は、ヤジ馬のなかの怪しげな男が逃げるのを見て後を追う。やがて男に追いつき覆面を取ると、男は奈緒を振った西野(浅香航大)だった。奈緒を振ったことをクラスメイトに知られた西野は、それがきっかけで不登校となっていた。人生を台無しにされたと思い込んだ西野は、奈緒とつながりのある「ビブリア古書堂」を逆恨みしていたのだ。

警察の事情聴取も終わり安堵した大輔は、最後まで付き合った笠井に礼を言うがその顔は浮かなかった。後味が悪くて、という大輔に、笠井はどんな事情があるにせよ、人を突き落としたり、放火をしてはいけないのだから、と励ました。
 店に戻り笠井の言葉を思い返した大輔は、「短編集」の山に置かれた『せどり男爵数奇譚』を見て驚く。それは笠井が置いたものだった。
 大輔は自転車で笠井を追うと、読んでいないはずの『せどり男爵数奇譚』を「短編集」に置いたのはなぜか、と聞く。置いた場所が偶然「短編集」の山だったのでは、と答える笠井に、大輔は西野の話をしたとき、笠井が「人を突き落とす」と言ったことに言及。栞子は表向き「階段から足を滑らせて転落した」ことになっていて、「突き落とされた」ことを知るのは、本人と自分、そして犯人だけなのだ、と。
 ついに自分が犯人であることを認めた笠井は、大輔の自転車を奪うと、栞子の病院へと走り出した。大輔は、栞子に笠井が向かっていることをメールで教え、それを見た栞子は、松葉杖をつきながら屋上へとやってくる。しかし途中で転び、その拍子にストールが落ちてしまう。病院に着いた笠井は、落ちてきたストールを見て屋上へとかけだした。その頃、大輔は全力疾走で病院へ向かい…。

第7話2013/02/2510.2%【脚本】相沢友子
【演出】松山博昭
足塚不二雄 「UTOPIA 最後の世界大戦」
篠川栞子(剛力彩芽)は太宰治の『晩年』を抱えたまま、病院の屋上で笠井菊哉(田中圭)と対峙していた。駆けつけた五浦大輔(AKIRA)が割って入ろうとするが、笠井の手にはハサミが握られていて身動きがとれない。半年前、文学館で『晩年』と対面して以来、再会できる日を夢見てきた、と言う笠井は、『晩年』を手に入れるためならどんな犠牲を払っても構わない、栞子にも自分と同じものを感じる、と言った。すると、栞子が自分は笠井とは違う、自分には古書よりも大事なことがある、だから、もう終わりにしようと言うと、ライターを取り出し『晩年』に火を点けた。燃え上がる『晩年』を栞子は屋上から放った。笠井は、それを拾おうとして駆け寄り大輔に取り押さえられる。
 後日、大輔と接見した笠井は、『晩年』は祖父が事情により手放したもので、以来、本を取り戻すことが使命だと感じるようになっていたと説明。本を燃やした栞子を痛烈に批判した。
 その後、大輔は栞子に、燃やした『晩年』は偽物だろうと聞く。本物そっくりに細工した『晩年』を燃やすところを笠井に見せ、あきらめさせようとしたのではないか、と。栞子は大輔をもだましていたことを認め謝った。なぜ自分に相談してくれなかったのか、と怒る大輔に、栞子は、本を読まない大輔に自分の気持ちはわからないかもしれないと思った、と明かした。

数日後、「ビブリア古書堂」に買い取り希望の須崎(井浦新)がやってくる。須崎は足塚不二雄の『UTOPIA 最後の世界大戦』の買い取り価格を聞いた。鶴書房版の初版でしかも美本だと言う須崎。栞子は、現物を見た上だが、100万円単位になるのではと返答。すると、須崎は車を移動してくると店を出ていき、その後、何時間経っても戻ってこなかった。
 栞子と大輔は買い取り表の書きかけの住所を頼りに須崎を訪ねた。ふたりを部屋に入れた須崎は、古書漫画のコレクションを見せ、先日亡くなった父(でんでん)が熱烈な藤子不二雄のファンでコレクターだったと明かした。さらに、それらを言い値で構わないから「ビブリア古書堂」に譲りたい、それが自分の初恋の人である栞子の母・智恵子(安田成美)への気持ちだからと言う。しかし、一冊だけ売れない本があると差し出したのが『UTOPIA 最後の世界大戦』だった。それを手にした栞子は、はさまれた値札に「ビブリア古書堂」、「2000円」と書かれていたことに驚く。須崎は、それは父が「ビブリア古書堂」で買ったものだと話した。栞子は、コレクションを買い取らせてもらうと言うと、須崎宅を後にした。

「ビブリア古書堂」に戻った栞子は、「2000円」の値札を見て、古書に精通する智恵子が『UTOPIA』を2000円で売ることはありえない。これは憶測だが、と言うと話し始めた――。20数年前、『UTOPIA』が東京の書店で売られていると知った須崎の父親は一目見たくて上京したが、魔が差して『UTOPIA』を万引きしてしまう。帰宅後、罪の意識にさいなまれた父親は、本を押し入れの段ボールに入れて隠した。しかし後日、別の本を売りに行くことになったとき、事情を知らない須崎少年(土師野隆之介)が段ボールを取り出し、上に本を重ねてしまった。「ビブリア古書堂」で、智恵子が段ボールの底にあった『UTOPIA』を取り出したのを見て驚いた父親は、それを奪うと買い取り希望の本を残して店を飛び出した。ところが、その後、智恵子が須崎宅を来訪。須崎少年を外に出させると父親に『UTOPIA』のことを黙っている代わりにコレクションの一部を渡せ、と迫った。すぐには了承しなかった父親のため、智恵子は「2000円」の値札を渡したのだ。そうすることで、父親とは違う第三者がこの本を売った、という証明となる。そういう架空の第三者のことを民法上「善意の第三者」というのだ、と栞子は大輔に説明した。そして、自分の母はそういうことをする人間なんだ、と言った。
 その後、栞子は10年前から智恵子が行方不明だと明かす。突然の告白に大輔が言葉を失っていると、もうあきらめている、と笑顔を見せた。そして、先日の自分の大輔に対する態度を謝罪し、これからは大輔を信じると言った。大輔は、自分は栞子にとって一番大切な本のことをわかろうとしていなかった、今後は自分も本が読めるように努力する、と言った。それを聞いた栞子は、大輔が本を読めるようになったら自分も嬉しいと言い、ふたりは微笑み合い…。
【須崎 正人】井浦新
【須崎 正人(少年期)】土師野隆之介
【須崎の父】でんでん

第8話2013/03/0410.4%【脚本】岡田道尚
【演出】宮木正悟
ロバート・F・ヤング 「たんぽぽ娘」
篠川栞子(剛力彩芽)とは親の代から付き合いがあるという、古書店店主の滝野蓮杖(柏原収史)が「ビブリア古書堂」にやってくる。志田肇(高橋克実)は、滝野を栞子の幼なじみ兼相談役だと五浦大輔(AKIRA)に紹介。大輔は、本が読めて栞子の役に立っている滝野をうらやましく思う。
 そんな折、「ビブリア古書堂」にやってきた常連客の吉見(大倉孝二)が「いい本が少ない」と言った。それに同調した栞子は大輔に、明日開かれる古書店同士の売買会「古書交換会」に付き合ってほしいと頼む。
 翌日、「交換会」にやってきた大輔は、栞子に連れられて会場内を見て歩く。栞子は店の売り上げを伸ばすため、値段は張るが人気の高い絶版のSF文庫の束に入札するが、「ヒトリ文庫」店主の井上(佐野史郎)に競り負けてしまう。

その日の夜、栞子は大輔にロバート・F・ヤングの『たんぽぽ娘』を「絶版文庫」の棚に出してくれと指示。それは栞子が自宅から持ち込んだもので、タイムマシンに乗り240年後の未来からやってきた女性と彼女に恋をしてしまう既婚男性の物語だった。文庫なのに8000円の値段をつけた本に大輔が興味を示していると、店のドアが大きな音を立てて開き井上が入ってくる。驚く栞子らに井上は、「交換会」で自分が落札した『たんぽぽ娘』を返せと言う。井上は、SF文庫の束に入札したときにはあった『たんぽぽ娘』が落札後に無くなっていたと主張。栞子は、自分が同じ束に入札したときに『たんぽぽ娘』はなかったと答えるが、井上は、栞子が盗んだと疑い、容疑を晴らしたいなら3日以内に真犯人を見つけてみせろ、と言う。
 その後、大輔、志田、滝野が手分けをして、「交換会」が行われた古書会館の関係者やそこに来場した古書店店主たちに話を聞く。しかし、「交換会」で出品者不明の売れ残りが出た、ということ以外に情報は得られなかった。ところが、それを聞いた栞子は確かめたいことがあると言い、大輔と志田を古書会館へ遣る。出品登録用紙を調べるうち、あの売れ残りの本の出品者が「ビブリア古書堂」となっていることが判明。大輔と志田は驚くが、電話で報告を受けた栞子は、これで犯人がわかったという。
 翌日、「ビブリア古書堂」にやってきた井上や滝野を前に、栞子は犯人は古書関係者ではなく外部の人間だと言った。犯人は、比較的人の少ない「交換会」前日に古書会館に潜り込み『たんぽぽ娘』を盗んだのだろう、と。しかし井上は、関係者しか入ることができず、集まるのも顔見知りばかりの「交換会」に、部外者が侵入するのは不可能だと反論。すると、栞子は、犯人は受付に置かれた「ビブリア古書堂」のネームプレートを着用し、誰もが「ビブリア古書堂」の新人として存在は知っているが顔を見たことがない大輔のふりをして入場し、『たんぽぽ娘』を盗み、さらには自分の本を出品したのだろう、との推論を明かした。

犯人は、大輔が「交換会」に行ったことがない新人だと知り、さらには「交換会」の前日に会場に来ないと把握していた人物だと、栞子は言う。滝野が疑惑の目で見られるなか、栞子が呼び出したのは吉見だった。吉見は犯行を認め謝罪すると、井上に本を返却。先日、離婚した吉見は別れた妻に愛読書の『たんぽぽ娘』を滝野の古書店に売られてしまった。すぐに店に連絡をしたが、「交換会」に出された後だと聞き、本を取り戻すために盗んだのだ、と明かした。本を取り戻せば、妻ともよりを戻せるのではないか、と期待をしていたが、それは叶わなかった。こんな結末になり、栞子にも栞子の母にも申し訳ない、と吉見は謝罪した。吉見は、『たんぽぽ娘』は、元妻に贈る本を探していた10年前、栞子の母・智恵子(安田成美)に勧められ購入したもので、智恵子は自分も結婚するときに、この本を夫に贈ったと話していたと明かした。
 数日前、栞子から亡くなった父親が生前『たんぽぽ娘』を読み直していたと聞いていた大輔は、父親は智恵子への恨みではなく、懐かしんで読み直していたのではないか、と言い、『たんぽぽ娘』を差し出す。栞子は微笑んでそれを受け取り…。
【滝野 蓮杖】柏原収史
【吉見】大倉孝二
【池谷】野添義弘
【井上 太一郎】佐野史郎
【井上 太一郎(少年期)】梅澤宜雄

第9話2013/03/1111.5%
タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなの
篠川栞子(剛力彩芽)と五浦大輔(AKIRA)は、大輔の勉強のため定休日に古書店巡りをすることを決め、写真集専門の古書店へやってくる。ギャラリーを併設したその店で写真を見ていると、写真は好きか、と高坂晶穂(矢田亜希子)が声をかける。晶穂は、大輔の高校の同級生で元恋人だった。カメラマンの晶穂は、野上司(望月章男)という気鋭のカメラマンと写真展を開いていると説明。そんな晶穂は、栞子が古書店店主だと知ると、「タヌキの絵本」を探してくれと頼む。タイトルや作者は覚えていないが、舞台は外国でタヌキなどさまざまな動物が出てきてみんなで家を建てる話だったという。それを聞いた栞子は、知っている話のようだが詳しくはわからないと答える。
 後日、晶穂が「ビブリア古書堂」を訪ねてくる。志田肇(高橋克実)が焼き上げたパンの試食をすすめるが晶穂はそれを断り、今日来たのは思い出したことがあるからだと言った。絵本にはほかに、サイとワニ、成績の悪い男の子も出てきたと話すが、栞子は思い当たらない。晶穂は、あとは実家を探すしかないと言うが、母親・ミズエ(かとうかず子)との関係が悪く会いたくないので、栞子に同行してほしいと頼む。
 栞子と大輔が晶穂とともに実家を訪ねると、迎えたミズエの態度は冷たく晶穂を見ると「栄養不足」などと言う。さらに、部屋で絵本を探しているとミズエが入ってきたので、大輔が絵本に心当たりはないかと尋ねるが、ミズエは覚えていない、と言い放つ。それどころか、亡くなった夫が残した書籍を買い取ってくれ、と頼む。

数日後、大輔は買い取った書籍代をミズエに届けに行き、その際、大輔が庭に残された「なかよしの家」と名付けられた犬小屋のことに触れる。「なかよしの家」とは、絵本に出てきた家を真似て晶穂が付けたものだ、と。するとミズエは、犬小屋に「友だちの家」と付けたり、飼い犬に「トービク」と名前を付けるなんてバカだ、と返した。
 「ビブリア古書堂」に戻った大輔は、栞子にミズエとのやりとりを話す。すると、大輔が犬の名を言う前に、栞子が、「トービク」ではないかと聞き、絵本がわかった、と言った。
 翌日、栞子は、「ビブリア古書堂」にやってきた晶穂に、パペットアニメーション映画『チェブラーシカ』のDVDを差し出す。意表を突かれた晶穂に、栞子はチェブラーシカの物語を話してやる。チェブラーシカがライオンに子犬のトービクを紹介したり、みんなで友だちの家を作るという物語は晶穂が言っていた通りだが、大きな瞳と耳を持つ主人公・チェブラーシカのキャラクターが、晶穂が話していた「タヌキ」とは異なる。そこで、栞子が1冊の絵本を取り出した。それは、『チェブラーシュカとなかまたち』という『チェブラーシカ』の原作になった本で、そこには、タヌキのようなキャラクターが描かれていた。栞子は以前、映画『チェブラーシカ』を見た篠川文也(ジェシー)からストーリーを聞いていたが、絵本を読んでいなかったため、そのふたつがすぐに結びつかなかったのだ。それを聞いた晶穂が感心すると、栞子はミズエの言葉にもヒントがあったのだ、と言う。ミズエが犬小屋を「友だちの家」と呼んだのは、最近映画を見たからで、それはつまり、密かに絵本を探していたからだ、と。探したが見つからず、代わりに見つけたDVDを見たのだろうと栞子は言うが、そんなことはあり得ない、と晶穂は受け入れない。すると、栞子が晶穂の実家にあったメモ用紙をつなぎ合わせた地図を見せる。それは、晶穂が写真展を開いていた場所を示したものだった。さらに、ミズエが書籍の買い取りを依頼したとき、晶穂が携わった写真集だけは売らなかったことも告げた。そして、栞子は、パンの匂いを受け付けないなどの理由から、晶穂が妊娠していることを言い当てた。相手は、野上で絵本が見つかったらそれを打ち明けようとしていたのでは、と言った。晶穂はそれを認めたが、大事な時期にいる野上には話せないし、子供を産んだとしてもミズエのような母親になるのが怖いのだ、と葛藤を明かした。

そこへ、ミズエが入ってきた。ミズエは晶穂の様子から妊娠にも気づいていたが言い出せなかったのだ。ついに、晶穂と向き合ったミズエは、出産をためらう晶穂に、素っ気ないながらも出産を後押しする言葉をかけた。そして、「私、産むから」という言葉を聞くと、店を後にした。その後、晶穂は野上にも妊娠を告げ、ふたりは結婚することになった。
 晶穂とミズエの結末を聞いた志田は、母娘はどこか深いところでつながっているものだ、と言った。それを聞いた栞子は、ノートに挟んでいた母・智恵子(安田成美)の写真を取り出すが、すぐに閉じてしまう。
【高坂 晶穂】矢田亜希子
【野上 司】望月章男
【高坂 ミズエ】かとうかず子
【桜井】石井春花
【書店の店員】喜矢武豊

第10話2013/03/1811.1%【脚本】相沢友子
【演出】宮木正悟
江戸川乱歩 「少年探偵團」
篠川栞子(剛力彩芽)は、「古書に関する特別な相談がある」と連絡を受け、五浦大輔(AKIRA)とともに、来城慶子(高樹澪)が暮らす洋館にやってくる。車椅子の慶子に代わり栞子と大輔を迎えたのは妹・邦代(松田美由紀)で、案内された書庫は江戸川乱歩の古書コレクションで埋め尽くされていた。
 そのコレクションは昨年のクリスマスに死去した慶子の夫のものだが、ある条件が解決されれば、「ビブリア古書堂」に売ってもよいと言う。その条件とは、洋館にある巨大な金庫の暗号を解くことだった。
 「ビブリア古書堂」に戻った栞子は、志田肇(高橋克実)、篠川文也(ジェシー)に金庫を開けるために必要なのは、鍵、四桁のダイヤル番号、暗証番号の3つだと話した。
 その後、栞子は大輔とともに井上太一郎(佐野史郎)が経営する「ヒトリ書房」を訪ねる。
 コレクションのなかに、「ヒトリ書房」で購入したと思われる本があり、手がかりが得られるかもしれない、と思ったからだ。栞子は、井上に来城慶子を知っているか、と尋ねた。店員の鹿山直美(横山めぐみ)は微かに反応したが、井上は知らないと言う。
 志田は、栞子らに直美が以前にも「ヒトリ書房」で働いていたこと、父親の鹿山明(須永慶)は昨年のクリスマスに事故死した有名な政治学者だったことを話す。また、藤波明生(鈴木浩介)は、鹿山が「1915」というダイイングメッセージを残していた、と教えた。

それを聞いた栞子が顧客名簿で調べると、「鹿山明」とあり、住所には「来城慶子様方」とあった。鹿山明が慶子の「夫」だと確信した栞子は来城邸を訪ね、「1915」は乱歩のデビューに当たる年でもあるから、それがダイヤル番号では、と言った。栞子の推理に感心した邦代は、この屋敷が鹿山の別邸であること、慶子は鹿山の愛人で38年間ここで暮らしていること、鹿山の死の翌日に届いた手紙には、自分が死んだら金庫を開けるようにと書かれていたことを明かした。
 栞子は書庫内のケースに並べてある乱歩コレクションに、「少年探偵手帳」がないことを不審に思う。慶子は、昨年の秋頃に鹿山が手に取っているのを見たのが最後だと証言。また、乱歩の代表作である「少年探偵団」シリーズも慶子が初めて書庫に入ったときから置いていなかった、と言う。
 そんな折、鹿山の息子の義彦(名高達男)が、慶子らに1週間以内に別邸から出ていくように、と通達。突然そんな通達をしたのは、別邸に乱歩コレクションがあると知ったからだろう、と義彦の妹の直美は言う。誰が義彦にコレクションのことを明かしたのか、栞子にある確信がよぎったとき、母・智恵子(安田成美)が現れた。智恵子は、コレクションのことを義彦に話したと認め、金庫の中身も狙っていると明かした。
 後日、鹿山邸を訪ねた栞子は、約束の時間よりも早く到着すると、人目がないことを確認し鹿山の書斎のクローゼットのなかに隠れる。すると、直美がやってきて書斎のソファを操作し始める。やがて座面のクッションが持ち上がりその下に本が見えたとき、大輔が声を出してしまう。大輔とともにクローゼットから出た栞子は、どうしても金庫の鍵が見つけたかったのだ、と謝罪。そこへ、井上も現れた。ソファに隠されていたのは、やはり「少年探偵団」シリーズだった。幼少期、このシリーズが好きだった直美は、近所の井上の家で読ませてもらっていたが、それが厳格な両親の知るところとなり、井上との交際を禁じられてしまった。そこで実は密かな乱歩のコレクターだった鹿山がソファに隠していた「少年探偵団」シリーズを、こっそり読んでいた、というのだ。

さらに栞子の予想通り、ソファのなかから「少年探偵手帳」が出てきた。手帳には、「直美へ」、「井上直美」という鹿山直筆の文字が書かれていた。それは、昨年の秋に死期を悟った鹿山からのメッセージだが、いざ気持ちを言葉にしようとしたら何も書けなくなってしまったのだろう、「井上直美」というのは、密かに思い合っていた直美と井上の関係を公には認めることができなかったが、実はふたりの結婚を望んでいたのだろう、と栞子は話した。
 すると井上が、鹿山は自分の恩人なのだ、と話しはじめた。20数年前、「ヒトリ書房」が経営危機に陥ったときに、鹿山がコレクションの一部を破格で譲ってくれた、以来数年間、商売を通じてつながり、直美には話せなかったが慶子の存在も知っていたという。
 ところがある日、鹿山を紹介してほしい、と智恵子が現れた。愛人の存在や秘密のコレクションのことまで知っていた智恵子は、秘密を守ることと引き替えに、井上に替わり鹿山と商売を始めた。そういう事情があるから、今回、栞子の協力に応じたのだ、と井上は話した。
 それを聞いた直美は、金庫の鍵もここにあると言って、ソファのなかから箱を取り出し栞子に渡した。栞子はそれを開いたが、空だった。不審がる直美に、栞子は智恵子が持ち出したのだ、と言い…。
【来城 慶子】高樹澪
【来城 邦代】松田美由紀
【鹿山 直美】横山めぐみ
【鹿山 直美(少女期)】小山心優
【鹿山 義彦】名高達男
【鹿山 明】須永慶

第11話2013/03/258.1%【脚本】相沢友子
【演出】松山博昭
江戸川乱歩 「押繪と旅する男」
母・智恵子(安田成美)に金庫の鍵を奪われたと確信する篠川栞子(剛力彩芽)は、智恵子よりも早く暗号を解いて暗証文字を入手することが、自分たちに残された道だと話す。
 その後、栞子と五浦大輔(AKIRA)が「ビブリア古書堂」に戻ると、智恵子がカウンターに座り本を読んでいた。驚く栞子に智恵子は、金庫の中身は何だと思うかと聞く。栞子が、江戸川乱歩の未発表の草稿か何かだろうと答えると、智恵子は「押絵と旅する男」の第一稿だと言った。それは乱歩の代表作のひとつだが、第一稿は乱歩自身の手で破棄されたといわれている。それが鹿山明(須永慶)の金庫にあるとは信じられないが、智恵子は鹿山の父親と乱歩の接点を明かした。その意外な事実に志田肇(高橋克実)も驚きを隠せない。
 そんな折、栞子のもとへ鹿山直美(横山めぐみ)から智恵子が現れたと連絡が入った。鹿山邸の書斎に駆けつけると、智恵子は金庫の鍵を手にしていた。実は、智恵子が栞子の前に現れたとき、智恵子はまだ鍵を見つけていなかった。しかし、早合点した栞子がしゃべり過ぎ智恵子にヒントを与えてしまったのだ。鍵は、「少年探偵団」シリーズのなかでも特に希少な4冊とともに書棚に隠されていた。直美は鍵を返すように言うが、智恵子は直美の兄の義彦(名高達郎)から全面的に任されているから、と言って渡さない。智恵子は、鍵と一緒に封筒に入っていた二銭銅貨を栞子に見せた。それは乱歩のデビュー作「二銭銅貨」に関連するものと思われたが、ヒントを見つけることはできなかった。しかしその後、栞子は来城邸書斎のガラスケースのなかに二銭銅貨を見つける。銅貨はふたつに割れ、なかから「南無阿佛」などと漢字が羅列した紙が出てきた。

そこで栞子は智恵子に交渉を持ちかける。義彦からの指示で、来城邦代(松田美由紀)と慶子(高樹澪)は翌朝に屋敷を出なければならない、それまでの間、鍵を貸してくれ、と。金庫の中身は鹿山家のものだが、自分たちは鹿山明(須永慶)が慶子に何を残したのか知りたいのだ、という栞子に智恵子は鍵を渡す。
 その後、志田も加わり漢字の羅列が「ひしょうえじま」という暗証文字であることがわかった。意味は不明だが、「1915」のダイヤル番号、鍵、その文字を入力すると金庫が開いた。なかには、「押絵と旅する女 江戸川乱歩」と表紙に書かれた原稿用紙の束があった。邦代からそれを手渡され胸に抱きしめる慶子。邦代は、栞子らに慶子をひとりにしてやってほしい、と頼む。
 栞子、大輔とともに書庫にやってきた志田は、「江川蘭子」があることに気づく。先日、それを落下させそうになった、と大輔が話したとき、栞子に閃きが走った。急いでリビングに戻ると、そこには慶子がひとり残されていた。栞子は来城邸を飛び出し走ると、前方を歩く邦代に「慶子さん!」と呼びかけた。
 場所を移し栞子と向き合った邦代は、本当は自分が慶子で、慶子が妹の邦代だと明かした。病を患う人間の頼み事なら、鹿山家も断りにくいだろうと思い、画策したのだという。
 栞子は、先日の「江川蘭子」の扱いから「本に疎い」と話していた邦代のウソを見破ったのだ。
 栞子は「押絵と旅する女」は、若い頃に推理作家を目指した鹿山が乱歩を真似て書いたものだろうと言った。さらに、原稿の一枚目の裏には、鹿山のペンネームだと思われる「作 江島日生(えじまひしょう)」という記述があった。自分のために書かれた小説を手にいれた邦代は、「押絵と旅する男」の主人公のように自分も旅をしながら読むつもりだと言った。

その後、智恵子が栞子の前に現れた。志田から話を聞いたという智恵子は、鹿山が死期を悟るずっと以前から屋敷にあった金庫に、自作小説だけを入れていたとは考えられないと言う。あの小説は、「押絵と旅する男」の第一稿の断片で、乱歩がトイレに捨てるなどして欠落した部分を鹿山が補う形で書き上げたのではないか、本物と偽物が融合しているからこそ、乱歩マニアである邦代にとって最高のプレゼントなのではないか、と栞子に迫った。一方で、邦代の足取りを追うことは難しくはないから、小説を読む猶予を与えてやる、とも言った。
 栞子に向き合った智恵子は、この10年間自分は本を探していたのだ、と明かした。人生のすべてをかけてもいいくらい欲しい古書なのだという。そのために子供たちを残して旅に出たが、後悔はしていない、なぜなら、栞子も文也(ジェシー)も自分の子供だからだ、と。その本がどんな本か知りたいのなら、自分と一緒に来ればいい、と言う智恵子は、「押絵」の原稿を手に入れたら日本を出るつもりだと話す。栞子は、智恵子の生き方が今は少しだけ理解できる気がする、と答えた。
 数日後、「ビブリア古書堂」に大輔がやってくる。顔色が悪いのを心配した栞子が尋ねると、前夜に「押絵と旅する男」を読んだが5ページで挫折してしまった、と明かした。その努力が嬉しい栞子は、いつものように大輔に「押絵と旅する男」のあらすじを話してやり…。

   

【ビブリア古書堂の事件手帖】スタッフ

原作
三上延
脚本
相沢友子, 岡田道尚, 早船歌江子
演出
松山博昭, 宮木正悟, 長瀬国博
演出補
長野晋也, 野田悠介
音楽
☆TakuTakahashi
監督補
長瀬国博
プロデュース
小原一隆, 藤野良太
プロデュース補
羽鳥秋乃, 井崎雅子
ラインプロデュース
多治見薫
制作
フジテレビドラマ制作センター
制作著作
フジテレビ
                  

【ビブリア古書堂の事件手帖】出演者

篠川 栞子
剛力彩芽
五浦 大輔
AKIRA
五浦 大輔(幼少期)
橋爪龍
志田 肇
高橋克実
笠井 菊哉
田中圭
小菅 奈緒
水野絵梨奈
篠川 文也
ジェシー
篠川 智恵子
安田成美
五浦 恵理
松坂慶子
藤波 明生
鈴木浩介
横田 奈津美
北川弘美
佐々木 亜弥
トリンドル玲奈
橋本 さやか
内藤理沙
                  
2013冬ドラマ