【無料動画視聴】鍵のかかった部屋【あらすじ】

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鍵のかかった部屋

2012春ドラマ【鍵のかかった部屋】

放送局
フジテレビ
放送開始日
2012/04/16
放送時間
月曜21:00~
主題歌
嵐【Face Down】

2012年4月からお届けする月9ドラマ『鍵のかかった部屋』は、難解な密室事件のトリックを謎解いていくミステリー。その主演を務めるのは、誰もが認めるトップアイドルグループ嵐のリーダー・大野智さんです。今年の新春ドラマスペシャル『もう誘拐なんてしない』では、フリーターの主人公をナチュラルに好演。今回、満を持してフジテレビの連続ドラマ初出演にして、月9初主演することとなりました。

大野さんが演じる大手警備会社に所属する榎本径(えのもと・けい)は、警備会社社員としてはかなり異質の存在。本社ビル内の暗い廊下の奥にある備品倉庫室で日々ひたすらセキュリティ(特に鍵や錠前)の研究に没頭する、いわゆる"防犯オタク"なのです。性格は冷静沈着でとっつきにくく、一見近寄りがたい風体で、鍵や錠前をはじめとした防犯アイテムの知識はもちろんのこと、物理や化学、建築などに関するあらゆる基礎的理論にも造詣が深いため「この世に破れない鍵はない」と自信を持つマニアックな男です。

そんな榎本は、ひょんなことから密室事件の真相解明を依頼されます。殺人事件の解決にはまったく興味がないけれど、「密室」というキーワードを聞くと、表情が変わり…。あまり感情を出さない淡々とした語り口調は不気味と思われがちながら、膨大な知識と鋭い洞察力、集中力で完全犯罪と思われた事件の解決への糸口を、密室を破ることで見出していきます。こんな榎本役を大野さんが演じることにより、月9ならではのスタイリッシュでお洒落なテイストは保ちつつ、今までとは違う新たなヒーロー像が誕生します。

また、このドラマは「黒い家」、「青の炎」などで知られる人気ホラーミステリー作家・貴志祐介氏の同名小説が原作。近年では、2010年に出版した「悪の教典」が、その衝撃的な内容で大きな話題となりました。『鍵のかかった部屋』は、防犯探偵・榎本シリーズとして、「鍵のかかった部屋」、「硝子のハンマー」、「狐火の家」の3部作に収録されているエピソードを厳選し、1話完結の連続ドラマ形式で映像化します。あえてすべてのエピソードを密室だけに特化した、こだわりの"密室トリックシリーズ"で、これまでの月9ドラマのイメージをガラリと刷新! ティーンや若い女性のみならず、若い男性層、年配の男女といった幅広い層にも楽しんでいただける本格謎解きエンターテイメントドラマとなります。

   
   
第1話2012/04/1618.3%
佇む男
東京総合セキュリティに勤める榎本径(大野智)は、弁護士・青砥純子(戸田恵梨香)に頼まれ、純子の先輩弁護士・芹沢豪(佐藤浩市)とともに密室事件の現場にやってきた。そこは、葬儀会社の社長・大石の遺体が見つかった山荘だった。警察は、山荘が密室だったこと、大石が末期のがんを患っていたことから自殺と断定。しかし、大石の友人・円山と司法書士・日下部(堀部圭亮)は疑念を抱き、芹沢に調査を依頼したのだ。榎本らを山荘に案内した日下部は、遺体を発見した日の状況を説明し始めた。

その日、日下部は、大石の甥で葬儀会社の専務・池端(風間杜夫)と山荘を訪ねた。窓から部屋を覗くと人影が見えたため、窓を破って室内に入ると、大石が部屋のドアを背にして体育座りのような姿勢で死んでいた。遺体は腐敗が進みウジがわいていたという。脚の前には重厚なガラスのテーブルが置かれ、そのテーブルはどっしりとしたソファで固定され、ドアには天井から床まで白幕が張られ、遺体はその上に座っていた。

後日、純子は、芹沢を連れ、榎本の会社を訪ねた。「備品倉庫室」と書かれた部屋にいた榎本は、山荘を再現した模型をふたりに見せた。榎本曰く、窓は施錠され部屋は完全に密室だった。唯一の侵入経路となるのはドアだが、犯人が大石を殺害しドアの前に座らせることはできても、その前に重たいテーブルとソファを移動させ、その後退出することは不可能だと言う。しびれを切らした芹沢は、自殺だと言ってくれ、と懇願するが、榎本はこれまでとは違う次元の発想が必要だとつぶやく。

翌日、山荘で偶然再会した榎本と純子は、室内を覗く少年・松田大輝(土師野隆之介)に気づく。大輝は、大石が死亡した日の翌朝、部屋のドアの前に白髪のおじさんが立っていたと証言。「白髪のおじさん」という特徴から、純子はそれが池端だと思い込むが、大輝は自分が見たのは大石だったと話す。警察の検視によれば、大輝が目撃した時間にすでに大石は死亡していた。大輝が見たのは別人だったのか――検証が行き詰ったとき、榎本の前に一匹のハエが飛んできた。それを目で追っていた榎本は、やがて密室は破れた、と言った。

後日、山荘を片付けに向かったという池端を追うようにして、純子らもやってきた。
純子は池端に、自分たちは大石の死因を究明しようとしていると明かすと、池端は先を促す。そこで榎本が話し始めた――。

まず、山荘で後継者問題を考えていた大石のもとに犯人がやってきた。犯人はやがてがんの痛みに襲われた大石に、治療のふりをして致死量のモルヒネを注射、大石を横たえて絶命するのを待った。死亡を確認したら、ドアに白幕を張りテーブルとソファを動かすなど準備をして山荘から退出。12時間が経った頃、再び山荘に戻ってくる。死後半日が経った遺体は異臭を放っていたため、犯人は耐えられずに窓を開けた。このとき、ハエが侵入したと考えられる。その後、死後硬直で硬くなった遺体をドアに立てかけたら、テーブルとソファで足元を固定し、少しだけドアを開け退出したのだ。死後硬直は上肢から緩み関節も曲がるようになるから、遺体は背中のシルクの幕を滑りながらゆっくり座っていった…。

池端は、大石の死後に会社のすべての遺産を相続できるはずだったが、横領が大石にバレ、遺言書が自分に不利に書き換えられたことを知ったため、殺害に及んだのだ。榎本にトリックを明かされても、池端は証拠がないと虚勢を張るが、芹沢がそれを許さなかった。偽造した遺言書の不正を突かれ、池端はついに観念した。

事件が落着したことに純子らが安堵するなか、イヤホンをした榎本はソファに座りどこか一点を見つめ…。

第2話2012/04/2316.5%
鍵のかかった部屋
榎本径(大野智)は、甥が死亡したという会田愛一郎(中村獅童)を連れ、青砥純子(戸田恵梨香)と芹沢豪(佐藤浩市)を訪ねてきた。甥の大樹は、自室で練炭による一酸化炭素中毒で死亡し自殺とされたが、会田は大樹が妹・美樹(福田麻由子)を残して死ぬとは思えないと言う。

大樹が死亡した日、会田は兄妹の継父で、中学校の科学教師・高澤(髙嶋政宏)からの連絡で高澤家にやって来た。美樹が大樹の部屋のドアを叩くが開かず、なかから反応もない。そこで、高澤が電動ドリルでドアノブの上に穴を開けた。その穴から会田が工具を差し入れ、ついに鍵は開いた。しかし、ドアと窓には隙間を埋めるように内側からビニールテープが貼られ、ドアを開ける際、ベリベリとテープがはがれる音がし、室内では紙テープの切れ端が舞い上がったという。壁には、紙テープで綴られた「サヨナラ」という文字があり、ベッドでは大樹が死亡していた。

3年前に母親を亡くした兄妹は高澤に育てられていたが、多額の遺産を受け継ぐため高澤に殺されたのでは、と会田は疑っていた。

榎本は、ドアと窓を密閉していたのが、ガムテープではなくビニールテープだったことが気にかかる。仮に高澤が犯人だったとして、施錠された窓やドアの内側からどうやってテープを貼ったのか、榎本は、純子、芹沢と可能な方法を考えるがどれも決定打にはならない。
重要なのは、どうやって目張りをしたのかというより、どうして目張りが必要だったのか、ということかもしれません。
そんな折、榎本は、美樹から会田はどんな人なのか、と尋ねられる。幼い頃の美樹は、叔父の会田と親しい関係だったが、会田が窃盗や傷害事件を起こし逮捕されたのを嫌い疎遠になっていた。しかし、大樹の件で必死に犯人を探す姿を見て、美樹は揺れていた。榎本は、人の評価は当てにならないから自分で確かめるべきだと言って立ち去る。

その後、榎本の「備品倉庫室」にダンボールを持った美樹がやってきた。大樹の部屋ではがしたビニールテープを何かの役に立てば、と言って託した。

榎本らはそのビニールテープを窓やドアに貼り直して現場を復元、それにより、ドアのテープが静電気を利用して貼られたものだと推測できた。これで、犯人が大樹を殺害後にドアから退室し、その後、ドアが密閉された可能性が高まった。ここで榎本は、改めてテープによる密閉の必要性を考える。最近の住宅は気密性が高いから、練炭で殺害するにもドアと窓を閉めるだけで十分なのに、さらに密閉したということは、完璧な気密性が必要だったのだ、と。そのとき、純子が芹沢のジャケットについていた紙切れを取ってやる。それを見た会田は、自分のポケットから紙テープの切れ端を取り出した。大樹の部屋を破ったとき、室内に舞い上がった紙の一部だ。美樹によれば、高澤はビニールテープより、この紙テープを急いで始末しようとしていたという。榎本は、紙テープの切れ端を持ち、考えを巡らせる――。

そんなとき、純子が「ボイル・シャルルの法則」は何か、と聞いた。大樹が勉強用に書いた付箋を読んだのだ。美樹は、先日、高澤が実験で行ったものだと返答。純子は榎本とともに、高澤が行った大気圧の実験を見ていた。そのやりとりが耳に入った榎本は、ドアに開けられた穴と補助錠を念入りに観察して言った。「密室は、破れました」と。

第3話2012/04/3014.4%
盤端の迷宮
榎本径(大野智)は、青砥純子(戸田恵梨香)と刑事・鴻野(宇梶剛士)とともに、プロ棋士・竹脇(ゆうぞう)が殺害されたホテルにやってきた。そこはビジネスホテルの一室で、竹脇は背中を包丁で一突きにされ倒れていたという。現場は、窓もドアも施錠されチェーンまでかけられた密室で、室内には将棋盤が残されていた。

榎本は、第一発見者のホテルマンに、部屋を開けたときドアに遺体が触れたかどうかを尋ね、スタッフはチェーンがかかっていたため届かなかったと証言した。

そこへ、来栖奈穂子(相武紗季)が入ってきた。鴻野は竹脇の恋人だという奈穂子に遺留品を見せ、竹脇のものだと確認させた。そのなかに、携帯電話やパソコンがなかったが、竹脇はどちらも持っていなかったと奈穂子は答えた。そして、棋盤にあった駒をひとつ取ると机の上に置いた。そんなとき、奈穂子が最近話題の女流棋士だと気づいた純子は盛り上がる。そして名刺を差し出すと、自分の上司・芹沢豪(佐藤浩市)が竹脇から法律相談を受けていた関係で、今回の事件の捜査協力をすることになったと説明した。

その後、純子は奈穂子に芹沢を引き合わせた。現在、三段の奈穂子は26歳までに四段に昇級できなければプロにはなれない、26歳の自分にとっては、今期が最後のチャンスなのだと明かした。
重要なのは、どうやって目張りをしたのかというより、どうして目張りが必要だったのか、ということかもしれません。
数日後、榎本と純子は将棋会館にやってきた。すると、そこで後輩の棋士・稲垣真理(山下リオ)を慰めている奈穂子に出くわした。真理は、恋人が殺害された奈穂子のことを当人以上に心配しているのだという。その後、三段リーグ戦が行われ、多くの棋士とともに奈穂子も対戦する。榎本と純子が報道陣に紛れて観戦していると、終盤に差し掛かったところで奈穂子の手が止まる。追い詰められたのだ。するとそのとき、奈穂子が深呼吸し髪を右の耳にかけた。それを見た真理は、立ち上がり部屋を出ていった。数分が過ぎた頃、奈穂子は次の手を指し、勝負を決めた。あと一戦勝てば四段へと昇級が確定するという奈穂子は、報道陣に囲まれた。その様子を見た棋士・中野秀哉(忍成修吾)は、竹脇の死後ますます奈穂子の人気が高まり、竜王戦で八連覇を成し遂げた毒島薫(貴志祐介)がかすんでしまい気の毒だ、と漏らした。さらに、竹脇が携帯を持っていたとも証言した。

そんななか、榎本と純子は棋士で将棋番組の解説をしている谷二郎(児玉頼信)を収録スタジオに訪ねる。谷は竹脇を恨んでいる人間は腐るほどいて、毒島もそのひとりだと証言した。その後、谷は、毒島が指した「1六桂」という手について解説しはじめた。トッププロでさえ気づかなかった絶妙手だという一手を見た榎本は、それが殺害現場に残された局面と同じだったと気づく。

さらに榎本は、奈穂子と真理が最近リーグ戦で残した手順が、将棋ソフトが選ぶ手と9割近く一致することも突き止めていた。奈穂子と真理が協力して不正を行っていたと推測すると、すべての辻褄が合うという。
あなた自信が、自白に近い行動を取ってるんですよ。 いつですか? 殺害現場で、初めてお会いした時です。


数日後、奈穂子は、榎本と純子が見守るなか、再び三段リーグ戦を戦った。すると、またしても終盤で奈穂子の手が止まる。ジリジリと時間が過ぎるなか、奈穂子は深呼吸し髪を右耳にかけた。それを合図に真理は席を立った。純子がこっそりそのあとを追うと、真理はパソコンを取り出し、将棋ソフトに奈穂子の手を打ち込んだ。そのとき、人の気配を感じた真理が顔を上げると、純子が立っていた。

その頃、奈穂子は、真理から携帯のコール数で次の手が知らされるのを待っていた。ところが知らせは来ず、奈穂子は敗退、プロ入りの夢が断たれた。

榎本は、奈穂子が竹脇を殺した理由を、携帯による不正を知られ、携帯を取り上げられたからだろうと話した。ついにすべてを認めた奈穂子は、気が楽になった、と言って笑顔を見せた。

第4話2012/05/0715.5%
黒い牙
榎本径(大野智)は、青砥純子(戸田恵梨香)と芹沢豪(佐藤浩市)から、純子が住むマンションで起こった事件について聞く。

先日、和菓子店の社長・桑島が亡くなり、桑島が借りていた部屋にペットが残された。
しかし、桑島の妻・美香(白石美帆)はその世話を拒否、桑島の友人で生物系雑誌のライター・古溝(松尾諭)が申し出た引き渡しも拒んでいるという。困った古溝は通りがかりの純子に相談を持ちかけ、交渉の結果、美香は古溝が桑島に預けていた二匹については引き渡すと約束した。

引き渡しの日、純子と芹沢は、美香、古溝とともにペット部屋にやってきた。そこは、窓が閉め切られ、水槽が並ぶワイヤーシェルフで埋め尽くされた異様な空間だった。

水槽を見てペットが熱帯魚だと早合点した純子の前に、古溝が差し出したのはタランチュラだった。しかも、桑島は飼っていたクロドクシボグモという猛毒グモにかまれて死亡したという。警察は、水槽内の土に刺さっていたピンセットから、桑島は猛毒グモにエサをやろうとして指を咬まれたと推測した。

それらの話を聞いた榎本は、猛毒グモを扱うにしては桑島が不注意すぎると指摘。芹沢も、猛毒グモに咬まれて慌てて手を引っ込めたなら、ピンセットが土に刺さっていたのはおかしいと疑問を呈す。
餌をやる時に指をかまれた・・・それだけ猛毒を持つ蜘蛛を扱うにしては、あまりに不注意ですね。
芹沢は一連の話を、自分を取材に来た雑誌記者・矢口(浅見れいな)に得意げに聞かせる。事件に興味を持っていた矢口は、事前に聞き込みをしていて、美香が桑島とも姑(かとうかず子)とも険悪の仲で離婚の噂も出ていたらしい、と話した。

そんな折、水城里奈(能年玲奈)が古溝から電話だと芹沢に告げる。古溝は、美香がすべてのクモの引き渡しに応じることになったので芹沢にも立ち会って欲しいと頼む。    

その頃、榎本はペットショップで雑誌に載ったクロドクシボグモの写真を見ていた。それは、古溝が桑島の部屋で撮ったもので、そこにはふたつ並んだ水槽に、一匹ずつのクモがいた。

翌朝、純子に頼まれた榎本ほか、関係者がペット部屋に集まった。早速、古溝は水槽からクモを取り出し、個別のケースに入れ始めた。すると、桑島が気に入っていた「キャメロン」というクモがいない、と声を上げた。それを聞いた美香は、そのクモは桑島が亡くなる数日前に死んだ、と答えた。

その後、床にかがんだ古溝が、棚の下に手を入れ何かを掴んだ。芹沢は、それが殺人に関する証拠品だと思い、何を取ったのか、と詰め寄る。古溝は、「金太郎」というクモだと言うが信じず、取ったものを奪おうとする。そして、もみ合ううち、芹沢は「金太郎」に指を咬まれてしまう。驚いた美香は救急車を呼ぼうとするが、古溝がそれを制する。「金太郎」に咬まれても死ぬことはなく、消毒すれば大丈夫だからだという。それでも、必死に救急車を呼ぼうとする美香に、古溝はクモの毒性について知っているはずだろう、と諭した。
先ほどキャメロンは死んだと言いましたが、それは確かですか?あなたはキャメロンの死骸を見たんですか?


部屋の様子をじっと観察していた榎本は、犯人が密室を利用してどんな罠を仕掛けたかわかった、やはり桑島は殺されたのだ、と言った。

犯人は美香で、まず「キャメロン」を殺し、死骸から中身を抜き取りその皮をクロドクシボグモに被せたという。何も知らない桑島は、猛毒グモを「キャメロン」だと思い、手に取ってしまったため咬まれ死亡した。美香は、桑島の死亡を確認し、ピンセットを水槽のなかに立てると、猛毒グモを回収しようとした。しかし、クモを見つけることができなかった。そのため、芹沢がクモに咬まれたとき、猛毒グモと思い、大慌てしたのだ。美香は、それなら「キャメロン」の皮をかぶった猛毒グモを連れて来い、と榎本に迫った。榎本がクモのエサ用に飼われているコオロギの水槽を示すと、そこに、猛毒グモの死骸があった。エサを求めて水槽に入ったが、逆に多数いたコオロギのエサになってしまったのだ。追い詰められた美香は、ついに犯行を認めた。

第5話2012/05/1415.6%
鍵のかかっていない部屋
榎本径(大野智)は、新築の家で起こった死亡事件現場にやってきた。その家は、高校教師・杉崎(新井浩文)が建てたものだが、引渡し直後に起こった震度4の地震で大きく歪んでしまった。杉崎は、施工会社に手抜き工事だとクレームをつけ、社長の竹本(田窪一世)が補修工事を請け負うことに。ところが、その下見の最中に竹本が亡くなったという。

榎本を現場に呼んだのは、青砥純子(戸田恵梨香)でも芹沢豪(佐藤浩市)でもなく、刑事・鴻野(宇梶剛士)だった。榎本の防犯やカギに関する知識や能力を目の当たりにし、協力を要請したのだ。現場には、現在手がけている買収契約に施工会社が関係していた芹沢と、偶然、榎本と行動をともにしていた純子も集まった。

遺体発見現場のリビングも家同様に大きく歪み、ドアも開閉できない状態だった。窓は施錠されていたため、逃走経路に使えた可能性があるのは廊下側のドアだけだが、このドアを閉めるには室内から一定の場所を何度も強い力で叩く必要があった。

この部屋は密室だったのか、と尋ねる純子に、榎本は部屋にはもうひとつ開口部があると示唆。それは、リビングの壁に開けられた内径7.5センチのエアコンのダクト用の穴だった。

榎本、純子、芹沢は杉崎が勤める高校を訪ねた。そして、杉崎が顧問を務める野球部員から話を聞き、事件当日の9時から12時まで練習があり、杉崎も参加していたことがわかる。竹本の死亡推定時刻は10時から11時までだから、杉崎のアリバイは証明された。榎本らが高校を出ようとしたとき、体育倉庫からふたりの野球部員が出てきた。様子がおかしかったため倉庫を覗いてみると、室内にはタバコの匂いが充満していた。
唯一の開口部であるダクト用の穴を使って、ドアを閉める事が可能かどうか。それが謎を解く鍵です。
榎本と純子は再び事件現場へやってきた。榎本は、ダクト用の穴を使いドアを閉めることができるかどうかが密室を解く鍵だと言う。そこへ芹沢が入ってきて、近所でランニング中の野球部員たちに会ったと話す。1時間も走るなんて青春だ、と言う芹沢の言葉に何かがひらめいた純子は部屋を飛び出していく。そして、追いついた部員たちに、ランニング中、杉崎はどこにいるのかと尋ねるが、部員たちは知らなかった。そこへ、自転車に乗った榎本が到着、部員たちを眺めるとほかにも部員がいたはずだと聞く。ランニングに参加しない部員がいると聞いた榎本は、再び学校へ。そして、体育倉庫の扉を開けると、以前目撃したふたりがタバコを吸っていた。榎本は、事件発生時もそこにいたふたりから、事件当日に倉庫からピッチングマシンが無くなっていたという証言を得る。そして、密室は破れた、と言った。

その後、榎本、純子、芹沢は杉崎と対峙した。警察が事故死だと断定したのに何の用か、といぶかしがる杉崎に、芹沢は自分たちは竹本は殺害され、ボールを使ったトリックで密室が作られたと考えている、と話す。そして、榎本がダクト用の穴とピッチングマシンを使ったトリックを披露した。学校から借りてきたマシンにテニスボールをセットすると、ボールはダクト穴を通り猛スピードでリビングのドアを叩いた。それを繰り返すうち、ドアは完全に閉まった。室内にはボールが溜まるが、それは家の傾斜を利用し下部のダクト穴に集まり、摘出できるよう計算されていた。
ランニングの1時間があれば、学校を抜け出して犯行を実行し、また戻る事は十分可能です。


状況証拠を示されても自分には殺害理由がない、と言い張る杉崎に、純子が杉崎の婚約者・飯倉加奈(関めぐみ)から話を聞いた、と切り出した。

加奈は、杉崎との将来に不安を感じていた。そんな矢先に地震が起こり、新居が歪んでしまう。歪んだ家に自分たちの未来を見た加奈は、結婚を取り止める決意をし杉崎に伝えた。しかし、杉崎はそれが単に家の問題だと思い、家は直るから、と加奈をなだめた。それでも、決心を変えない加奈に杉崎は絶望。怒りの矛先は竹本に向いたのだった――。

またもや密室事件を解決した、と意気揚々の芹沢は、鴻野に礼を言われさらに上機嫌になり、榎本と純子をチームメイトだと言って飲みに誘う。

その頃、鴻野は、険しい表情で榎本の写真や掌紋鑑定に関する報告書を読んでいて…。

第6話2012/05/2115.4%
密室劇場
榎本径(大野智)は、青砥純子(戸田恵梨香)に誘われて、水城里奈(能年玲奈)が出演する「密室に囚われた男」という舞台を見に来た。それは、パフォーマンスと演劇に分かれた舞台だった。

観劇後、下手(しもて)の楽屋に里奈を訪ねると劇団員たちの様子が慌ただしい。楽屋で薬師寺(山中聡)というパフォーマーが撲殺されていたのだ。

その後、容疑者に里奈の恋人でパフォーマーの井岡(桐山照史)が浮上した。純子から事件のことを聞いた芹沢豪(佐藤浩市)は、度重なる密室事件にうんざりしながら、榎本を呼べと指示する。

榎本、純子、里奈が劇場を訪ねると演出の畑山(堀内敬子)、脚本家兼パフォーマーの鬼塚(坂本昌行)が迎えた。純子は、楽屋には上手(かみて)と下手があるのに、なぜ薬師寺だけが下手にいたのか、と尋ねる。鬼塚はそこが薬師寺専用になっていたと明かす。薬師寺の楽屋に行くには、売店があるロビーを通るか、舞台上を横切るしか方法がない。しかし事件発生時、演劇が上演中で客席には200人の観客がいた。外部からの侵入の形跡もない密室状態だった薬師寺の楽屋に、犯人はどうやって侵入して殺害し、誰の目にも触れず逃走できたのか。

現場検証を続けた榎本は、今回の密室は破れないかもしれない、と言った。

里奈に頼んで井岡に会った純子は、井岡のカバンに「密室の作り方」という本があるのに気づいた。役作りのために必要だという井岡に、パフォーマーなのになぜか、と純子が尋ねると、井岡は焦りながらももっともらしい答えを返した。
犯人ではないと言ってました。ただ・・・鬼塚さんは、嘘をつきました。
同じ頃、榎本のもとに鬼塚が現れた。次の舞台の題材で防犯ネタを使いたいという鬼塚は、榎本に質問があるという。そんなとき、榎本が前回の舞台のトリックをどう思いついたのかと尋ねた。鬼塚は、自分のアイデアから心理的なトリックが浮かんだ、と答えたが、舞台で使われたのは物理的なトリックだった。

榎本からそう聞いた純子は、前回の舞台の脚本を鬼塚ではなく井岡が書いたのでは、と推測。そして、井岡を問い詰めたところ、鬼塚と自分がお互い了承済みのことだ、と言ってそれを認めた。

純子は犯行を行ったのが鬼塚だと仮定すれば、密室を破る方法が絞れるのではと言う。榎本は、最後にパフォーマンスを終えた鬼塚が密室を作る時間は、演劇が上演されていた80分あったことになると話す。舞台上で何か工作したとしたら自分たちが気づいたはずなのに、という純子の言葉に榎本はひらめきを感じた。

再び劇場にやってきた榎本は、舞台上でスローモーションのような動きをしている鬼塚を見つめた。そして、車に戻ると舞台の映像を分析し始めた。

その頃、純子は、畑山から重要な証言を聞き劇場へとやってきた。誰ひとりいない舞台上で、鬼塚を探す純子。その後ろに、足音も立てず鬼塚が立った。気配に気づき純子が振り返ると、鬼塚は無言で純子を見詰めた。得の言われぬ恐怖に包まれたとき、ドアが開き、榎本、芹沢が入ってきた。安堵した純子に、榎本は「密室は、破れました」と言った。
犯行が発覚しても、殺意がなかった事故という答えに行き着くよう、すべて計画してあったんです。


榎本は、パフォーマンスを終えた鬼塚が楽屋で薬師寺を撲殺、その後、舞台上の切り出しと呼ばれるセットの後ろに隠れ、自分で移動させながら舞台上を横切った、と明かした。鬼塚が得意なスローモーションのような動きで、非常にゆっくりと移動すると、人間の目はそれを認識できないと言う。舞台の画像を早送りしてみると、確かに舞台の奥で切り出しが横切るのが確認できた。

殺意はあったのかと聞く芹沢に、鬼塚は、事故だったと弁明。しかし榎本は、舞台上に切り出しを何度も引きずった傷があることから、何日も練習を重ねて犯行に及んだはずだと指摘。それでも動機がない、という鬼塚に純子は、畑山から聞いたと言って、井岡をゴーストライターに使っていたことで、鬼塚が薬師寺に脅されていたと明かした。遂に言い逃れができなくなったが、それでも鬼塚はどこか平然としていた。

後日、純子から舞台の誘いを受けた榎本は、携帯電話をスピーカーにしたまま話していた。開錠作業中の榎本は、純子の言葉にも応えず没頭し…。

第7話2012/05/2816.1%
狐火の家
榎本径(大野智)は、青砥純子(戸田恵梨香)に連れられ、築百年という日本家屋にやってきた。ふたりを案内したのは、家主・西野(吉田鋼太郎)の友人・遠藤(平田満)だ。先日、この家で中学生の長女・愛美(森迫永依)が死亡したが、顔に殴打の跡があったため、警察は他殺と断定、第一発見者の西野が容疑者として連行された。西野をよく知る遠藤は、犯人は別にいると主張、西野の長男で4年前から失踪中の猛(郭智博)かもしれない、と明かした。

殺人現場が密室だったという理由で、遠藤は芹沢豪(佐藤浩市)に調査を依頼したが、芹沢が休暇中のため、純子は榎本とふたりで調査に来た。

榎本は、西野邸の玄関に付けられた特殊な鍵に注目。泥棒とは無縁という田舎にはふさわしくない重装備に思えた。合鍵を持つのは西野と愛美だけだが、愛美の遺体が発見されたとき、玄関は施錠されていて、愛美の合鍵は室内にあった。鍵なしで外から施錠することはできない上、犯行時刻に西野邸からほど近いリンゴ園で作業中だった女性も、侵入者は見ていないと話した。

遠藤は、愛美が帰宅したとき室内に誰かが潜んでいた可能性を示唆。電話をしながら帰宅した愛美の通話相手が、愛美が「誰?」と言ったあとに通話が途切れたと証言したからだ。

犯人の逃走経路として考えられるのは、なぜか開け放たれていた1階の窓のみ。しかし、榎本は、そこから逃走したのならあるはずの足跡がない、と指摘した。

その日の夜、榎本とともに西野邸にいた純子は用を足そうとするが、汲み取り式のトイレにおじけづく。そこへ、トイレの窓の外をふわりと青い光が横切った。

その後、榎本と純子は、事件前夜に猛が村で目撃されていたと聞く。
・・・そこまでして現場を密室にしなければならない理由っていうのが、どうしても分からないんですよ。
翌日の調査で、何者かがリンゴ園の脚立を使って2階の窓から侵入した可能性が浮上。しかも、鍵の不具合があった窓から入ったと思われるため、それを知っていた人物、つまり猛である確率が高くなった。

休暇から戻った芹沢も参加し検証を重ねるが、犯人が逃走した形跡を見つけることができない。

そこへ、猛が住んでいた東京のアパートが見つかった、と遠藤から連絡が入る。アパートの警報システムが作動したため、警備会社のスタッフが駆けつけドアを開け、猛は不在だったが、実家から持ち込んだと思われる金塊が見つかったという。榎本は、猛が金塊を置くために自宅に戻ったのであれば、まず、警報システムを解除したはずだと指摘。それをせず、アラームが鳴り続けていたというのは、警報システムを知らない人間、そんなものとは無縁な場所で生まれ育った人間の仕業なのでは、と言った。しかし、もし西野の犯行だとしたら、愛美が帰宅したときに家にいたのは誰なのだ、と純子が尋ねた。言葉に詰まる榎本に純子は、幽霊ではないか、と言った。すると、榎本にひらめきが起こった。
この密室は、破れません。


西野邸に集まった人々を前に、榎本は話し始めた。事件前夜、4年ぶりに帰宅した猛は、家族全員が留守なのを知り、2階の窓の鍵を外して室内に侵入、一夜を過ごした。翌日、帰宅した愛美と鉢合わせになり口論の結果、愛美を殺害してしまった。そこへ、西野が帰ってきた。長年、猛の素行の悪さに辟易していた西野は、妹を殺害してもなお悪態をつく猛を殺害、自宅に保管していた20数㎏の金塊を重石として結びつけトイレに沈めたのだ。その後、北側の窓を開け犯人が逃走したように偽装したが、外に足跡がないことを榎本たちに気づかれたため、猛のアパートに金塊を隠し、警察に犯人だと断定させようとしたのだ、と。

その後、東京に戻った榎本がひとり錠前をいじっていると、後ろで青い光が立ちのぼった。榎本が振り返ると、それは消えて…。

第8話2012/06/0415.4%
犬のみぞ知る
榎本径(大野智)は、青砥純子(戸田恵梨香)、芹沢豪(佐藤浩市)とともに、遺体となって発見された人気漫画家・中田文恵(渡辺めぐみ)の自宅にやってくる。その玄関横には激しく吠える大型犬がいて、榎本たちに吠えかかる。文恵の姪・友香(志田未来)は、この犬は文恵以外の人間が通ると必ず吠えるのだ、と説明した。

文恵には、橘麻美(岩佐真悠子)と安西理佳子(MEGUMI)というアシスタントがいて、自宅兼作業場の文恵の家に毎日通って来ていた。作業時間は自由で、文恵が亡くなった日は、麻美は朝から午後5時頃まで仕事をして帰宅、その後、午後10時頃にやってきた理佳子が作業場で死亡している文恵を発見、通報したという。

現場は、玄関はもちろん、すべての窓に鍵がかかった密室だった。アシスタントは合鍵を持っているが、犬に吠えられずに入室することは不可能だった。近隣住民の証言で、午後5時に麻美が帰宅してから午後10時に理佳子がやって来るまでの間、犬は一度も吠えていなかったとわかった。

警察は、酒に酔った文恵が資料につまずいて転倒、その拍子に棚から落下した石製の時計が頭を直撃したことが死因だと断定していた。純子らが友香から話を聞いていると、自分はやっていないと言って、麻美が入ってきた。その後、庭で犬が吠える声がして、今度は理佳子がやってきた。犬が苦手だという理佳子は、超音波で犬を撃退する道具「K9キャンセラー」を持っていた。
僕は完全に密室だなんて一言も言ってません。はい。おそらく他殺だと思われます。
事件を検証する榎本らは、犯人は玄関から出入りしたと結論を出すが、犬に吠えられずに出入りする方法についてはわからなかった。すると芹沢が、これは事故で間違いない、と言い出した。しかし、事務所に戻ってみると、最近「密室事件を解決する弁護士」として話題の芹沢を取材陣が待ち構えていた。彼らにいいところを見せようとした芹沢は、今回の事件は他殺で自分が解決してみせる、と言い放つ。

その後、友香の証言で、新入りだが優秀で要領もいい麻美と、アシスタント歴10年の理佳子が犬猿の仲だとわかる。

そんな折、文恵の自宅が荒らされるという事件が起こった。現場には、理佳子のストラップが落ちていたため理佳子の犯行かと思われたが、隣家の防犯カメラの映像から麻美の仕業だとわかる。しかし、麻美のこの行為は、犯人だと確信する理佳子を早く逮捕してもらうための工作だった。麻美は、理佳子が文恵を殺害する理由に心当たりがあると明かした。

ちょうどその頃、榎本らが通りかかった夜の公園内で流されていた、高周波音のモスキートに純子が反応する。若い世代にしか聞こえないというのが悔しい芹沢は、懸命に聞こえるふりをする。と、そのとき、榎本の思考の鍵が開いた。
ある意味では、犬自体が”鍵”となっています。この鍵をどう処理するか、これが今回の事件のポイントです。

麻美の存在がプレッシャーになっていた理佳子は、文恵が新たにアシスタントを募集していると聞き、自分がクビになるのでは、と不安になっていた。そこへ、文恵が理佳子を見下すような発言をしていた、と麻美から言われ、理佳子は文恵を恨むようになった。実はそれは、麻美の嘘だったが、疑心暗鬼になっていた理佳子は信じてしまったのだ。純子にそう指摘されても犯行を認めない理佳子に、榎本は「K9キャンセラー」を使ったトリックを話して聞かした。さらに芹沢も加わり嘘を指摘したことで、ついに理佳子は犯行を認めた。

事件解決後、純子は、テレビに出演し密室事件について意気揚々と語る芹沢を呆れながら見ていた。その傍には榎本がいて…。

第9話2012/06/1116%
はかられた男
榎本径(大野智)は、とある貿易会社の事務所で厳重な鍵と防犯カメラを設置していた。同社長室では、榎本の紹介で法律相談を依頼された青砥純子(戸田恵梨香)と芹沢豪(佐藤浩市)が、社長・富樫(岩松了)と対面中だった。しかし、貿易会社社長とは思えない富樫のいかつい風貌に、芹沢は不安を感じる。

作業を続ける榎本に、取締役・野々垣(哀川翔)が声をかけた。知り合いのように話すふたりに驚いた芹沢が聞くと、3日前にこの事務所で副社長が眉間を撃ち抜かれて死亡するという事件が起き、壊したドアの鍵を修理するため榎本が派遣されたのだという。

警察は、事件を自殺と他殺の両方から調べていたが、榎本は、自殺ならこめかみを撃ち抜くのが自然だと話す。他殺の場合の容疑者は、八田(鈴木亮平)という人物だった。八田は事件発生時、別の部屋にいたが、銃声を聞き副社長室に駆け込んだら副社長が死んでいたと証言した。

数日後、その八田が、拳銃で自分の口を撃ち抜いて死亡した。外で銃声を聞いた野々垣、取締役・坂口(高杉亘)、犬山(佐藤祐基)が事務所に駆けつけたが、部屋には中から鍵がかかっていた。そこで、榎本が呼ばれ鍵を開けると、変わり果てた八田がいた。警察は、副社長の事件で追い込まれて自殺した、と断定。しかし榎本は、自殺なら銃を口にくわえるはずだが、八田は口から少し離れたところから撃っていたことから、自殺とは考えにくいと話した。
自殺とは考えにくいですね。八田さんは拳銃を少し離した状態で発射していました。普通ならくわえるはずです。
富樫は、榎本と純子に事件の真相を解明するよう依頼。榎本が検証した結果、部屋は完全な密室で鍵をかけたのは八田本人に間違いないこと、また、以前榎本が設置した防犯カメラが、死角ができるよう動かされていたことがわかった。

その後、榎本と純子は手がかりを求めて、八田の小学生の娘・美沙(畠山彩奈)から話を聞く。美沙の証言から、副社長が死亡した直後、八田がマンションの外で何を目撃したのか、と野々垣に聞かれていたことがわかった。さらに、美沙は八田が毎日夜10時頃に必ず電話をかけてきたこと、よく水鉄砲で遊んでくれたことを明かした。水鉄砲で遊ぶところを野々垣にも見られたことがあると聞いた榎本は、指を擦り集中する。そして、思考の鍵が開いた。
八田さんは本物の銃を偽物の銃と思い込んで、銃を自分の口に向け、自ら引き金を引いたんです。

事務所に集まった関係者を前に榎本は、八田は本物の銃を偽物と間違えて引き金を引いたのだと言った。八田が美沙と遊んでいた水鉄砲からヒントを得た犯人は、本物の銃を改造した水鉄砲に八田が好きな日本酒を仕込み、八田の前で飲んで見せた。興味を示した八田にも飲ませ、事前に警戒心を解くことに成功。そして、水鉄砲と本物の銃の入れ替えておき、電話番でひとり残った八田に「飲んでもいい」と伝え事務所を出たのだ、と。それを聞いた野々垣は、証拠はあるのか、と声を荒げる。すると、芹沢が野々垣がダミー会社を使って裏カジノを経営していたことを指摘。そのことが副社長にバレたため口封じのために殺害したのだろう、と迫る。さらに榎本が、副社長殺害の現場から立ち去るところを八田に見られたため、八田も手にかけたのだ、と言った。

それでも犯行を認めない野々垣に、榎本は野々垣が水鉄砲を隠した場所を言い当てた。すると、野々垣は銃を取り出し榎本らに向かって構えた。そこへ、社長室のドアが開き富樫がやってきた。富樫は、野々垣に銃を突きつけると、野々垣を一喝。ついに、野々垣は落ちた。そんな野々垣を、榎本はじっと見つめていた…。

第10話2012/06/1813.8%
硝子のハンマー[前編]
榎本径(大野智)は、青砥純子(戸田恵梨香)、芹沢豪(佐藤浩市)とともに芹沢が顧問弁護士を務める介護サービス会社「ベイリーフ」にやってくる。

同社の社長室が空気銃で狙撃されるという事件が起こったため、社長室や役員室が入る会社最上階のセキュリティ強化を依頼されたのだ。社内を調査した榎本は、社長の穎原昭造(佐々木勝彦)らに必要なシステムを説明、後日、工事が行われることとなった。

ところが数日後、榎本が工事にやってくると、穎原が社長室で死んでいた。連絡を受け駆け付けた純子と芹沢に、穎原の甥で副社長の穎原雅樹(鈴木一真)は、穎原の死因が頭頂部打撲による脳出血であることを明かした。刑事の萬田(丸山智己)は、密室だった社長室に唯一入出可能だったという理由で専務の久永篤二(中丸新将)を警察署に連行。しかし、久永が犯行を否認したため、芹沢は榎本に事件の調査を依頼した。

榎本が検証を続ける間、純子と芹沢も事件について考察を重ねた。そんなふたりを、古びたスニーカーを履いた男が付け狙う。
・・・実は、模型を作っていたら、ちょっと気になることがあって。
やがて、社長室の狙撃事件の画像を見ていた榎本が、気になることがあると言って純子を「ベイリーフ」社の屋上へ連れていく。そして純子に、ワイヤーに吊るしたゴムボールを宙に向かって投げさせた。すると、ボールは放物線を描いて落下、社長室の窓に命中した。何かに気づいた榎本は、雅樹に連絡を取ってくれと純子に頼む。

同社社長室に集まった雅樹らを前にした榎本は、社長室の狙撃事件は、外部からの犯行ではなく、殺害された社長の自作自演だったと話す。それを聞いた雅樹は、社長が窓を防弾ガラスに交換するよう執拗に要請していたことを明かした。なぜそこまで、警備を徹底したかったのか、一同が考え込むなか、榎本が口を開く。

するとそのとき、秘書の制止を振り切って萬田と鴻野(宇梶剛士)が入ってきた。鴻野は、5年前に榎本が社長の自宅のセキュリティシステムの設置を請け負ったことがあっただろう、と切り出した。榎本はシステムの設置を終えたが、その後社長宅に窃盗犯が侵入、疑われた榎本は警察に事情聴取をされたり、同僚から白い目で見られたり、と憂き目にあった。そのことを恨み、社長を殺したのではないか、と鴻野は言う。それを聞いた純子が榎本のアリバイを主張するが、警備システムを調べ尽くした榎本にならできただろう、と譲らない。そして、警察署への同行を求めた。榎本がそれを受け入れ歩き出したとき、気配を感じ窓の方を見やると、上昇してきた窓掃除用のゴンドラに乗った男(玉木宏)が現れた。窓越しに榎本を見た男は、不敵な笑みをたたえているようにも見えた。そして、足元には、あの古びたスニーカーを履いていた。榎本はじっと男を見つめるが、鴻野に促されて部屋を出ていった。

そんな榎本の後を純子と芹沢が追ってきた。しかし、ふたりの眼前で、榎本を載せたエレベーターの扉は閉まり…。

第11話2012/06/2517.5%
硝子のハンマー[後編]
榎本径(大野智)が不在の中、青砥純子(戸田恵梨香)と芹沢豪(佐藤浩市)は事件の検証を行う。そして、榎本は犯人ではない、と純子が断言したとき、榎本が解放されたと連絡が入る。「ベイリーフ」専務の久永(中丸新将)が犯行を自認したからだ。拘置所で純子と接見した久永は、睡眠中の無意識のうちに社長を殺害したのかもしれない、と弱気になっていた。

自由の身となった榎本は、副社長の穎原雅樹(鈴木一真)らに、死亡した社長が狙撃事件を自作自演したのは、社長室に隠した何かを守るため窓を防弾ガラスに交換させたかったからだろう、と話す。さらに、久永は無実だとも言った。

榎本は、自分のことを通報した犯人が自分と社長との因縁を知ったのは、社長室での自分と純子の会話を盗聴していたからだと推測。そんなことが可能な人物は誰か、考えを巡らせた榎本は、第一発見者の窓拭きのスタッフ・佐藤学(玉木宏)に会いたいと申し出た。

やがて、榎本と純子の前に佐藤がやってくる。純子は佐藤に、社長が倒れていた場所を尋ねる。佐藤がキャビネットの方を見やると、榎本は窓の外からだとそこは見えないはずだと指摘。佐藤は、ゴンドラが上がったときに見えた、と証言した。

榎本が検証を重ねた結果、社長は社長室にあった介護ロボットを使って殺害されたという結論に至った。そんな折、水城里奈(能年玲奈)から電話を受けた芹沢は、事務所にやってきた雅樹と面会。雅樹は、「ベイリーフ」の過去の経理を精査したところ、組織的な横領が見つかったと明かす。その額は6億円近くに及び、社長が関与していた疑いがあるという。
社長はなぜルピナスVを社長室に置いていたんでしょうか?
純子は再び久永と接見し、社長が横領をしていたこと、その金を貴金属に換えて社長が隠匿していたことを認めさせた。芹沢は、社長がその貴金属を社長室に隠していたはずで、窓を防弾ガラスに換えたがったのは、窓からの侵入者=佐藤を警戒していたからではないか、と考える。

純子と芹沢が佐藤について調査をするうち、純子は佐藤の本名が椎名章であることを突き止めた。一方、芹沢は鴻野(宇梶剛士)から榎本に関する情報を得た。過去に美術館や宝石商で起こった複数の窃盗事件で、事件当日の終業間際、いずれの場所でも榎本の姿が監視カメラに映っているという。

そんな折、純子から介護ロボットの情報を得た榎本は、純子らがいた社長室にやってきた。そして、介護ロボットにキャビネットを持ち上げさせてくれ、と頼む。キャビネットの下に潜り込んだ榎本は、底部に作られた隠し扉を見つけた。しかし、隠されていたはずの6億円分の貴金属は、消失していた。雅樹らが愕然とするなか、榎本は強風のため小さくカタカタと音を立てる窓ガラスに気づく。意識を集中させ指をすり合わせると、やがて、思考の鍵が開いた。
前後左右、それから上下までガラスに囲まれているように見えます。

翌日、榎本は、椎名が清掃作業をする場所へやってくると、事の発端は窓の清掃中に偶然、社長室でダイヤを目撃したことだろう、と切り出した。そして、それを盗むことを画策、盗聴器を仕掛け情報収集を行い、自分がシステム強化の工事に取りかかる前に盗んだのだろう、と話した。榎本の言葉に耳を貸さず立ち去ろうとする椎名に、榎本はダイヤを処分しに帰宅するのか、と言い、その隠し場所を言い当てた。驚愕する椎名に榎本は、社長の殺害方法を明かす。それは、睡眠薬で眠る社長を介護ロボットで窓際まで運び、窓に頭をつけさせ、窓の外から重量のある鈍器で頭をめがけて叩く、というものだった。社長は頭を手術したばかりだったので、ガラス越しに伝播する衝撃が致命傷となったのだ、と。
また、自分がそのトリックに気づいたのは、可動するよう細工が施された窓を見つけたときだ、と明かした。社長を手にかけた後、屋上に戻り仲間の清掃員と合流、その後、偶然遺体を発見したように装ったのだ、と指摘する榎本に、椎名は鈍器を見せろ、と迫る。榎本は、屋上の給水タンクのなかにボーリングの玉を見つけた、と答えた。すると、椎名はついに犯行を認めた。

そして、目的はダイヤではなく、社長を殺すことだったと明かした。社長は、昔、椎名の父親と共同経営を行っていたが、会社が傾くと会社の金を持ち逃げした。そのことが原因で、椎名の両親は心中していたのだ。榎本のことを調べたという椎名は、榎本になら自分の気持ちがわかるだろう、と言った。

後日、椎名は警察に自首、久永は正式に無罪が認められた。そんな折、純子と芹沢が所在不明となった榎本の安否を案じていると、純子の携帯に榎本から連絡が入る。榎本は空港にいて臨時収入が入ったので旅行に行く、と告げた。純子から電話を奪った芹沢が、椎名の部屋から見つかった6億円相当のダイヤのうち、1億円分は偽物だったと、榎本を疑うような口ぶりで話す。それを軽く否定した榎本は、フライトの時間だから、と言って電話を切ってしまう。そして、パスポートと搭乗券を手にし…。

   

【鍵のかかった部屋】スタッフ

原作
貴志祐介
脚本
相沢友子
演出
松山博昭, 加藤裕将, 石井祐介
音楽
KenArai
プロデュース
小原一隆
協力プロデュース
中野利幸
制作
フジテレビドラマ制作センター
                  

【鍵のかかった部屋】出演者

大野智
戸田恵梨香
佐藤浩市
能年玲奈
                  
2012春ドラマ